コラム「絵心のススメ」第4回 戸惑いの新入社員時代

仕事を通じて出会う人たちのイラストを描くようになった、とある似顔絵描きの独り言。



今年の新入社員の方々も入社から4ヶ月が過ぎて、ようやく慣れてきた頃。そろそろ人によっては、社会人になって最初の夏休みだろうか。


もう30年以上前の話。新入社員の頃はいろいろと思い出深い。特に4月の新人研修の日々。春休みに下宿を引き払い、一旦荷物を田舎に置き、東京に舞い戻って参加した。今までの生活とはあまりに違い、なかなか自分を出せなかった思いがある。


これは勝手な都合だが、一番違和感があったのは、自分の名字が変わったこと。学生時代までは、父方の姓だった。母方の姓を継ぎ、社会人スタートを機に、今の名字で呼ばれるようになった。当然みなさん、そう呼んでくださる。昔の名前は知らないし。


でも、それがとても違和感で、「あー、おれは柏木(旧姓)なんだ。カシワギなんだよー」って、毎日、心のなかで叫んでいた。名字なんて単なるアイコンと思えば、小さなこだわりの話だ。ただ社会人生活に飛び込んで間もない時期だったこともあって、強く感じたんだと思う。


研修を終え、現場に配属されて職場の皆さんに迎えられ、徐々に自分を出せるようになってからは、だいぶ名字が自分に馴染んで来た。お客さまにも可愛いがって頂き、少しは成績を出せた頃からだったかもしれない。


今でも社会人になる前までの友達は、旧姓をもじったあだ名で呼んでくれて心地いいし、今ではこの、名字を通じたオンとオフの切り替えが楽しくもある。2つの名前を使いこなし、2つの顔を持つわたし。なーんて。


こちらはかれこれ20年前、ある企業の新入社員研修を、講師の助手兼サブ講師としてお手伝いした。そのときの講師から、「年の近い(当時は)の、あなたからも何か話して」と30分のコマを頂いた。そのとき、このエピソードをお話した。不安があったり、なんか違うよなぁと思ったりするのは、みんなそうだよ、だから大丈夫だよ――、という気持ちで。あのとき新入社員のみなさんも今は超ベテランのはず。元気で活躍されているかなぁ。


ということで、こういう時節柄だからこそ、新社会人のみなさんも新しい環境に早く馴染んでほしいし、上手く自分の立ち位置を築いてほしいと思っている。


当社では、新入社員研修に加えて、新入社員フォローアップ研修もご用意しているので、どうぞご利用くださいませ。


さて、今回の似顔絵は、当社のビジネスセミナーにも登壇頂いている、鈴木真理子さん。今年の新入社員研修(セミナー)にも、講師として沢山ご登壇頂いた。


受講者のみなさんを、社会人スタートにあたり、マナーやビジネスの基本を通じて親身に導いて頂いた。受講者のみなさんの素敵な未来を、講師の方々もわが社も願っている。




プロフィール

SMBCコンサルティング株式会社 常務執行役員 遠藤宏之

1989年住友銀行(現・三井住友銀行)入行、法人部門やリテール部門を経て現職。40歳ごろから行内で似顔絵を描く機会が増え、当サイトでも制作した似顔絵を所々で提供。

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