9割弱の20代転職者が「経営理念と人事評価の一貫性の無さ」が転職に影響したと回答。社員が一貫性を感じるポイントとは

株式会社給与アップ研究所は2021年8月16日、「経営理念と人事評価制度の一貫性に関する実態調査」の結果を発表した。調査日は2021年7月8日で、「直近1年で初めて転職を行った20代の会社員」108名から回答を得た。これにより、経営理念と人事評価制度の一貫性の有無が、転職や働く上でのモチベーションにどう影響するのかなどが明らかとなった。

約半数の転職者が、前職は「経営理念と評価制度が一貫していなかった」と回答

転職前の会社の「経営理念と人事評価制度の一貫性」について、転職者はどのように感じているのだろうか。

はじめに「転職前に勤めていた会社では、経営理念と人事評価制度が一貫していたか」を尋ねた。すると、「全く一貫していなかった」が13.9%、「あまり一貫していなかった」が34.3%で、合計48.2%に。転職者の約半数が、「経営理念と人事評価が一貫していなかった」と感じていたことが判明した。なお、それ以外は「少し一貫していた」が27.8%、「非常に一貫していた」と「わからない」がともに12%という結果だった。



「一貫性の無さ」を感じた理由は「会社の方針と報酬体系が連動していなかった」など

次に、ひとつ目の問いで「全く一貫していなかった」もしくは「あまり一貫していなかった」と回答した52人に対し、「会社のどの部分から『一貫性の無さ』を感じていたか」を複数回答で尋ねた。すると、「会社の方針と報酬体系が連動していなかった」と「上司によって指示や方針が違った」がともに44.2%、「理念が現場に浸透していなかった」が42.3%に。自由回答では、「実際の行動と経営理念が相違していた」、「本社と現場でやり方が違った」などの声があがった。



「一貫性」を感じた理由は「理念を表す具体的な行動指針があった」

一方、ひとつ目の問いで「非常に一貫していた」、「少し一貫していた」、「あまり一貫していなかった」と回答した80人に対し、「経営理念と人事評価制度が『一貫性を持っていた』と感じる場面」について複数回答で尋ねた。すると、「経営理念を表す具体的な行動指針があった」が37.5%、「前言撤回や指示のひっくり返しがなかった」が32.5%、「上司と、その上司の指示や指摘が同一だった」が26.2%となった。



約9割が、経営理念と評価制度の「一貫性の無さ」が転職理由に影響すると回答

続いて、「全く一貫していなかった」と「あまり一貫していなかった」と回答した人に対し、「経営理念と人事評価制度の『一貫性の無さ』が転職理由に影響しているか」を尋ねた。すると、「非常に影響している」が30.7%、「少し影響している」が55.8%となり、合計86.5%が「転職理由に影響する」と感じていることが判明した。




また、同じ回答者に、「経営理念と人事評価制度の『一貫性の無さ』によって、どのような影響を受けたか」を複数回答で聞いた。すると、「ストレスがたまった」の63.5%が突出しており、以下「会社に誇りを持てなくなった」が38.5%、「エンゲージメントが下がった」が28.8%などと続いた。



約8割が、モチベーション高く働くためには「理念と評価の一貫性が重要」と回答

さらに、全回答者に対し「経営理念と人事評価制度の一貫性は、モチベーション高く働く上で重要だと考えるか」を尋ねた。すると、「非常にそう思う」が45.3%、「少しそう思う」が38%で合計83.3%となり、約8割がモチベーションを保つ上で、経営理念と人事評価制度の一貫性が「重要」だと感じていることがわかった。



約9割が、経営理念と評価制度が一貫している企業に「魅力を感じる」

最後に、全回答者に対し「経営理念と人事評価制度が一貫している会社に対して魅力を感じるか」と尋ねた。すると、「非常に魅力を感じる」が47.2%、「少し魅力を感じる」が39.8%となり、合計87%が“経営理念と人事評価制度に一貫性のある企業”に魅力を感じていることが判明した。



「経営理念と評価制度の一貫性」は、転職を考える理由や勤務する上でのモチベーションに大きく影響するようだ。一貫性を持った経営体制の構築や人事施策が、自社の求める人材を呼び込むきっかけにもなり得るかもしれない。

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