SMBC経営懇話会 今月の耳より情報 ー 第8回 約1,000タイトルの動画教材を無料視聴 集合研修から個人学習まで幅広く対応

研修教材を手がける大手3社の動画コンテンツを視聴できる会費内サービス「研修教材オンデマンドサービス」。本来なら有料の教材なだけに、質の高さは折り紙付き。新入社員研修から今学びたいタイムリーなテーマまで、社員の知識・スキルの底上げに役立つ動画が揃う。



社員教育に力を入れたいが、研修になかなか多くの費用をかけられない──。そんな中堅中小企業の悩みに応えるのが、「研修教材オンデマンドサービス」だ。


研修動画教材を制作する大手3社のレビックグローバル、PHP研究所、日経グループと提携しており、SMBC経営懇話会の会員企業であれば追加費用はかからず、利用人数や回数の制限もなしに、オンライン上のコンテンツを視聴することができる。


各社が有料で一般に提供しているeラーニング教材・DVD教材の中から、同サービス向けに約1,000タイトルもの動画を配信。新入社員や内定者、中堅、管理職、経営層と、各階層に適した研修教材が見つかるだけでなく、タイムリーなテーマも揃っている。


「業種を問わずニーズが高いテーマが、コンプライアンス、ハラスメント対策、メンタルヘルス、情報・セキュリティなどです。意外なところでは交通安全の動画も人気で、運輸業に加えて、社用車を使う営業社員に視聴してもらうそうです」と、担当の上野さんは話す。


視聴人数の制限がないからこそ、集合研修時に皆で見る、リモート研修の教材にするなど、各企業の教育スタイルに応じて使い方はさまざま。社員が自己研鑽のために視聴することもある。動画の収録時間は1タイトルあたり平均で40〜50分だが、各章ごとに5~10分ほどの動画クリップに分割されているため、すきま時間で学びを得られる。


「各社の研修担当者の方が、自身の知識や教え方を整理するために活用するケースもあります」(上野さん)



eizan/PIXTA



利用企業の声を活かしてサービスを改善・拡充


もともとは研修動画を収めたビデオやDVDのレンタルサービスから始まったが、時代の変化に合わせて2017年度からオンデマンドでの提供を開始した。


サービス改善・拡充のためにユーザーの毎月のアクセス状況を分析してニーズを把握している。その情報を教材提供元にフィードバックし、「こういうコンテンツを制作、提供してほしい」といった要望を積極的に伝えてきたという。


その効果もあり、レビックグローバル教材「Smart Skill Video Library」のコンテンツとして新たに、PCスキル向上のための「誰でもわかるMicrosoft Office」シリーズや、弁護士監修のコンプライアンス動画「弁護士ドットコム」シリーズが加わった。


「コンプライアンス関連は法改正などで情報が変わるため動画制作が容易ではないのですが、多くの企業に待ち望まれていたテーマなので以前から提供元に働きかけてきました。ドラマ仕立てで、若い世代も理解しやすい動画に仕上がっています」(上野さん)


10月には、「Smart Skill Video Library」がリニューアルされ、検索機能の強化やレイアウト変更でより使いやすくなった。また、四半期に一度、新作コンテンツが追加されることになった。第一弾は『トップセールスのメソッド』。全8章の動画と章末テストで構成されており、約1年間かけて段階的に学ぶことができる。


利用企業からは、「これだけ幅広いラインナップの動画を、追加費用なく見られるのはすごい」といった反響が多く届いている。「社員の階層を問わず視聴してもらえる普遍的なテーマをカバーしつつ、今後も常に新しいニーズに対応していきたいと考えています」(上野さん)


動画共有サイトが一般に普及したことで、動画から情報を得ることに慣れ親しむ人も増えており、動画教材の価値は近年さらに高まっている。費用を気にせず、効果的に社員の知識やスキルの向上を図る上で、ますます見逃せないサービスといえるだろう。



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◎取材・文/村上あゆみ
◎「SMBCマネジメント+」2024年11月号掲載記事


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