SMBC経営懇話会 今月の耳より情報 ー 第6回 企業にも従業員にも大きなメリット 人材定着、インフレ対策に「福利厚生代行サービス」

企業が人材の採用・定着のためにさまざまな施策に取り組む中、改めて注目されているのが「福利厚生」だ。幅広いメニューを展開する福利厚生代行サービスを活用すれば、企業の運営コストを抑えつつ、従業員にさまざまなメリットを実感してもらうことが可能だ。



大企業だけでなく、近年は中堅中小企業においても福利厚生を充実させる動きが広がっている。背景にあるのが、人手不足に対する危機感だ。


福利厚生の充実が、働く意欲やエンゲージメントの向上につながり、人材の採用・定着の強化も図れると考える企業が増えている。自社の魅力を従業員や採用応募者にアピールする手段の一つとしても、改めて見直されているようだ。


福利厚生といえば、かつては自社で保養施設やプールなどを保有する企業も多かった。しかし、バブル崩壊後はこうした不動産は売却されたり、老朽化で利用されなくなったりしてしまった。


代わって普及したのが、福利厚生をアウトソーシングできるサービスだ。専門の事業者が福利厚生サービスの提供・運営を一括して担い、企業は自社の従業員数に応じた入会金と月会費を支払う。


SMBC経営懇話会では業界大手2社と提携しており、会員企業であれば、特別料金でそれぞれの事業者と契約できる。それが、株式会社ベネフィット・ワンの「ベネフィット・ステーション」と、株式会社リロクラブの「福利厚生倶楽部」だ。


例えばあるプランでは、1名当たりの月額料金が約50円の割引となるほか、入会金が大幅に安くなる。月額料金の割引は、全社員かつ継続利用することを考えるとインパクトは大きい。なかには、この特別料金に魅力を感じてSMBC経営懇話会に新規入会する企業もあるという。


ベネフィット・ワンは首都圏と大手企業、リロクラブは地方と中堅中小企業に強い傾向があるが、いずれも全国の施設や店舗と提携しているため、地域間格差なく全従業員に公平にサービスを提供できる。


「運営のための人件費や自社施設の保有コストを抑えられるのも、アウトソーシングのメリットです」と、SMBCコンサルティング・ソリューション営業部部長の秋元さんは話す。



従業員の可処分所得を底上げ 動画配信の見放題も人気


メニューの種類は非常に幅広く、提携の映画館やフィットネス施設、レストラン、ショッピングなどを優待価格で利用でき、可処分所得の実質的な増加につながるものや、健康増進、自己啓発など自己成長を支援するものなどもある。



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年齢や家族構成、ライフスタイルに応じて、自分が使いたいサービスを自由に選べるのが、現代の福利厚生サービスなのだ。


「新しいトレンドとしては、大手動画配信サービスの見放題がついたセットプランの人気が高まっています」と秋元さん。個人で契約すれば月額1,000円程度はかかるため、従業員がメリットを感じやすいサービスだ。



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物価高騰が家計を直撃する中、日常生活でメリットをすぐに実感できるメニューをほかにも取り揃えており、ベビーシッター補助チケットや介護用品購入補助などもある。大幅な賃上げの実施は難しくても、間接的に従業員の可処分所得を底上げしたいという、企業側のニーズにも合致しているといえる。


SMBC経営懇話会の会員は中堅中小企業が中心。その会員企業からの「福利厚生サービスを利用したい」という相談は近年、確実に増えているという。秋元さんは「『従業員のために、何かしたい。でも、自分たちで始めるにはコストも人手もかかる』とお悩みの企業の方は、一つの選択肢として検討してほしい」と呼びかける。


今や、企業の約7割が何らかの福利厚生を導入し、就活生が企業選びで重要視する条件の一つともいわれる。企業の利益を従業員に還元する福利厚生サービスの充実は、選ばれる企業になるための新たなスタンダードとなっていきそうだ。



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◎取材・文/石橋真理
◎「SMBCマネジメント+」2024年9月号掲載記事

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