Netpress 第2397号 市場の変化に対応! 中国現地法人を「再編」する際の実務
Point
1.中国の経営環境の変化や市場環境の激化に伴い、中国事業の再編を検討する企業が増えています。
2.近年では、一部事業の撤退や売却、リストラなどの再編事例が急増しています。
3.主な手法としては、①組織再編による統合、②M&Aや事業撤退、③リストラ・事業縮小が挙げられます。
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1.中国の経営環境の変化や市場環境の激化に伴い、中国事業の再編を検討する企業が増えています。
2.近年では、一部事業の撤退や売却、リストラなどの再編事例が急増しています。
3.主な手法としては、①組織再編による統合、②M&Aや事業撤退、③リストラ・事業縮小が挙げられます。
税理士法人山田&パートナーズ
税理士・公認不正検査士 大井 高志
税理士・公認不正検査士 大井 高志
近年、中国における市場環境の変化に伴い、中国事業の見直しや再編を検討する企業が増えています。検討における背景は企業によりさまざまですが、最近では競争激化や業績悪化に伴う再編事例が増えてきています。
外的要因 | 経営環境の変化、市場競争の激化、パートナーとの対立、規制・法令の変更、サプライチェーンの変動、政治的・地政学的リスク、技術革新 など |
内的要因 | 業績悪化、経営戦略の変更、事業ポートフォリオの見直し、ビジネスモデルの見直し、組織文化の統一、人員の適正配置 など |
本稿では、中国現地法人の再編を検討するにあたっての手法やポイント・留意点について解説します。
1.再編の目的
中国子会社の再編を検討する主な目的は以下のとおりですが、近年では効率化やコスト削減、リソースの最適化などを目的とした事例が増えてきています。
2.中国における組織再編の類型
中国における組織再編の類型を示すと、以下のようになります。組織再編を行う目的によって、採用される手法は異なります。
複数の法人の統合を目的とする場合には、合併や事業譲渡による手法が主となります。一部の不採算事業をカーブアウトさせる場合には、持分譲渡や、事業部単位での会社分割や事業譲渡なども検討可能な手法です。
3.再編を検討する際の留意点・ポイント
- 再編スキームの検討について
上記2.の記載にあるように、組織の統合や事業の切り離しなど、目的に応じて複数の再編スキームを検討することが可能です。
実施手続・所要期間、税コスト、人員整理の要否、契約関連の引き継ぎの可否、実行後のビジネスへの影響などを総合的に勘案したうえで、採用すべきスキームを決定する必要があります。 - 行政手続について
合併や分割などの会社法上の組織再編については、法改正に伴い従来の許認可制から届出制(備案制)に変更されたことから手続が簡素化され、採用されるケースが増えてきています。
一方で、対象となる法人の所在地が省市を跨ぐような再編の際には、各地方当局において取り扱いが異なることもあり、事前に関連当局に照会を行うことをお勧めします。 - 労務対応について
組織再編の類型によっては、従業員の労働契約をそのまま引き継げるものと、引き継ぐことができずに解雇を伴い、経済補償金と呼ばれる解雇手当を支給しなければならなくなるケースがあります。
解雇を伴う再編の場合には、対象とする従業員の範囲の検討や、補償を打診する際の条件のプランニング、残る従業員の雇用バランスの調整など、慎重に検討を行う必要があります。
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テーマ:中国現地法人を「再編」する際の実務(ライブ配信あり) 講師:税理士法人山田&パートナーズ 税理士・公認不正検査士 大井 高志氏 開催場所:SMBCコンサルティング東京本社9階セミナーホールC 開催日時:2024年9月6日(金)15:00~16:30(受付開始 14:30) ご案内兼申込書へ |
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