株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【農業・園芸】23年3月
【業界アウトライン】
農林水産省によると、日本国内の基幹的農業従事者(ふだん仕事として主に自営農業に従事している方)の人口は、2010年には260万6千人であったが、2022年2月時点では122万6千人と半数以下になった。
農林水産省によると、日本国内の基幹的農業従事者(ふだん仕事として主に自営農業に従事している方)の人口は、2010年には260万6千人であったが、2022年2月時点では122万6千人と半数以下になった。
完全人工光型植物工場(レタス類)市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2022年度の完全人工光型植物工場(レタス類)市場規模は、281億円(対前年度比126.0%)と見込まれる。
・現在の人工光型植物工場の生産品目は、90%以上がレタス類となっている。
・同市場は、レタス類以外に今後、ホウレンソウ、ケール、バジルなどのハーブ類や、イチゴなどへの品目拡大が見込まれる。
業界動向/事業者動向
・農業従事者の高齢化が進み、露地栽培の生産量の落ち込みが懸念される中、近年は天候不順の激化によって、露地野菜の調達相場が乱高下していることから、植物工場野菜の需要分野は、小売ではスーパーやコンビニ、業務用では外食や中食・惣菜など、様々な業種に拡大しつつある。
・同市場では、自動化を用いた生産を推進する大規模工場に加えて、増加が見込まれる遊休地を活用した「地産地消」、「店産店消」、「ビル産ビル消」などの植物工場についても導入が進むと見られる。また、将来的には、再生可能エネルギーを活用した生産体制についても可能性が見込まれる。
ガーデニング・家庭菜園市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2022年度のガーデニング・家庭菜園市場規模は、2,406億円(対前年度比100.4%)と見込まれる。
・同市場では、60~80歳代のシニア層が主力顧客であったが、体力面や健康等の理由によって減少傾向となっている。
・一方で、コロナ禍での若年層の流入や、事業者の新規顧客獲得に向けた積極的な取り組みにより、今後も微増での推移が見込まれる。
業界動向/事業者動向
・同市場は、主力顧客数の減少に伴い、新規顧客開拓を積極的に展開する必要性が高まっており、事業者においては、耐候性に優れた苗、収穫のしやすさ・高栄養などの機能性を特色とした苗の商品化や、キッチン菜園・プランター菜園などの屋内園芸を入り口とした新規顧客獲得への取組みが見られる。
・そのほか、コロナ禍で増加した若年層ユーザーの継続・定着が課題となっていることから、コロナ禍を機にユーザーとの繋がりを重視し、自社でデータを把握したいという事業者が増加しており、ユーザーデータの活用によるマーケットイン型の提案など、ユーザーの継続を図る取り組みも見られる。
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