株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【高齢者及び高齢者施設向けサービス】22年12月

【業界アウトライン】
内閣府統計局の「人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)」によると、65歳以上の人口は3,621万4,000人(対前年比100.5%)で、このうち75歳以上の人口は1,867万4,000人(対前年比100.4%)であった。

歩行器・歩行車市場

※出典  ①と将来予想 矢野経済研究所  

     ②総務省統計局 人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)


市場環境

・2022年度の歩行器・歩行車市場規模は、120億円(対前年度比107.9%)と見込まれる。
・同市場は、主にレンタル事業者や高齢者介護施設に販売されており、医療機関や高齢者施設などでの歩行訓練やリハビリ訓練でも使用されている。
・そのほか、介護保険におけるレンタル件数や金額が増加する傾向にあることから、今後も市場規模は拡大すると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、予防介護の考え方の普及に伴い、歩くことができる軽度者向けの歩行器や歩行車などの需要が増加する傾向にある。また、近年では、ショッピングカート付きの歩行車など、外出のサポートを行う機能が付帯する製品の展開も見られる。
・一方で、歩行車は一般的に高齢層の女性が使用する物というイメージが強いことから、事業者には、男性向けのデザインや性別、年齢を問わないようなラインナップを取りそろえるなど、これまでとは異なるユーザー層の獲得に向けた商品の開発や、イメージの変革が求められる。

車いす市場


※出典  ①と将来予想 矢野経済研究所
     ②総務省統計局 人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)

市場環境

・2022年度の車いす市場規模は、227億円(対前年度比100.3%)と見込まれる。
・同市場は、レンタル向け需要の拡大が見られるほか、高齢者施設向けには低価格帯の標準型車いすの需要の拡大が見られる。
・一方で、事業者のなかには、原材料費や燃料費高騰のほか、円安によるコスト上昇の影響を、容易に価格に転嫁できない状況も見受けられる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、既存事業者が多くのシェアを占めているものの、近年では家電販売事業者やホームセンターなどのディスカウント系事業者が、海外製の車いすを大量に輸入して、既存事業者の車いすよりも低価格で展開することで、市場のシェアを獲得する動きが見られる。
・また、国内市場はレンタル向けや施設向けの需要を中心に形成されているものの、市場そのものは成熟しつつある。そのため、事業者のなかには、海外拠点の設置や海外の事業者と事業提携を行うことで、海外市場への進出を図る動きも見受けられる。

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