株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【住宅設備機器】22年3月

【業界アウトライン】
2020年度の主要住宅設備機器の市場規模は1兆7,637億円(対前年度比93.8%)であった。同市場は、リフォーム市場を中心に需要の盛り返しがみられたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、市場規模は減少した。

太陽光発電システム市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2021年度の太陽光発電システム市場規模は、販売額ベースで1,513億円(対前年度比99.8%)と見込まれる。

・同市場は、導入への補助金制度の中止や、FIT買取価格の下落による売電メリットの縮小の影響から、市場規模は減少傾向が続いている。

・その一方で、国では、再生可能エネルギーの利用拡大を目的に、新築住宅などへの太陽光パネル設置義務化などの議論が進められている。

業界動向/事業者動向

・従来、住宅用太陽光発電システムは、住宅居住者の売電を目的に導入が進められていた。しかしながら、近年は売電価格の引き下げの影響や住宅のZEH(Net Zero Energy House)化を背景に、「売電」から「自家消費」を目的とした導入に変化する動きがみられる。
・一方で、販売事業者や電力小売事業者には、事業主と住宅居住者が住宅に設置した太陽光発電システムの電力売買契約を締結するPPA(Power Purchase Agreement)モデルを導入するなど、太陽光発電システムの設置数の増加に向けた、新たなスキーム作りを行う動きもみられる。

家庭用蓄電システム市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2021年度の家庭用蓄電システム市場規模は、1,224億円(対前年度比102.4%)と見込まれる。
・同市場は、FIT期間の満了を迎える太陽光発電システム設置住宅における、発電電力の自家消費への関心の高まりや、家庭のレジリエンス強化の手段の一つとして、今後も高い需要が見込まれる。
・2022年度の市場規模は1,320億円(対前年度比107.8%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・従来、家庭用蓄電システムは、鉛電池を利用したものが先行的に流通していた。近年は、エネルギー密度の高さや自己放電の小ささ、急速充放電が可能などのメリットから、リチウムイオン電池を採用したタイプが主流になっている。
・なお、事業者の中には、住宅用太陽光発電システムと蓄電池とのセット販売を行うことで、新規ユーザーを獲得する動きのほか、住宅用太陽光発電システム既設ユーザーのFIT期間満了に伴う「売電」から「自家消費」に移行の際の、家庭用蓄電池の導入需要を獲得する動きがみられる。

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