株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【マテリアル】21年12月

【業界アウトライン】
財務省の年次別法人企業統計調査(令和2年度)によると、2020年度の製造業の売上高は365兆948億円(対前年度比91.6%)であった。このうち化学分野の売上高は39兆5,618億円(対前年度比94.9%)であった。

プラスチック軽量容器市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年のプラスチック軽量容器市場規模は、重量ベースで795,000t(対前年比100.2%)と見込まれる。

・2020年は、緊急事態宣言下による巣ごもり消費の拡大に伴い、スーパー向けの生鮮トレーや外食向けのテイクアウト・デリバリー容器の需要が好調に推移した一方で、コンビニ向け容器や駅弁・イベント向け容器はオフィス街での売り上げ低迷やイベント自粛等の影響から、需要が減少した。

業界動向/事業者動向

・同市場では、巣ごもり消費による総菜用容器の特需のほか、新たにテイクアウト・デリバリー容器の需要が創出された。また事業者のなかには、液体が漏れにくい容器や、蒸気熱に伴う蓋とび現象を抑制する容器など、大手飲食チェーンと共同で提供メニューに適した容器の開発を進める動きもみられる。
・その一方で、ユーザーのなかには、商品に使用する容器について環境配慮型素材を100%使用することを目標に掲げるなど、プラスチック削減に向けた取組みが加速しつつある。今後、事業者には用いる素材を多様化するなどして、脱プラスチックに向けた製品の開発が求められる。

機能性薄膜市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・ここでいう機能性薄膜とは、特に次世代に有望な特徴を持つと見込まれる機能性薄膜のうち、電気・電子機能薄膜、光機能薄膜、物理・化学機能薄膜、セラミック機能薄膜、有機機能薄膜、バイオ機能薄膜、環境・エネルギー機能薄膜、その他の8区分を指す。

・2020年の機能性薄膜市場の国内市場規模は、9,420億円と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・薄膜とは、薄くすることにより、独特な電気的機能、光学的機能、その他の物理的・化学的機能を示すようになった膜を指す。現在では、半導体産業はもとより、それ以外の分野でも様々な機能を持った薄膜が用いられるようになり、それに応じて、薄膜形成技術も様々な方法が開発されている。
・なお、近年では、これまでにないナノ構造組織を有する薄膜や、ナノメートルオーダーの微細なクラスター(原子レベルの集合体)を他の物質に埋め込んだ薄膜の創製、創製した薄膜への新たな機能の搭載など、様々な取り組みが試みられている。

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