株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【自動車】21年9月

【業界アウトライン】
2020年の国内自動車市場は、コロナ禍の影響で、販売台数が全車種において減少し、全体で2011年以来となる前年比2桁減となり、生産台数は807万台(対前年比83.3%)となった。

電動二輪市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・電動二輪市場の世界市場規模の予測に当たっては、電動二輪の台数を政府目標やメーカーの電動化戦略などにコミットされたAggressive予測と、各種課題解決にある程度の時間を要すると設定したConservative予測とに分類した。

・2021年の市場規模は、需要台数ベースで、Aggressive予測で317万台(対前年比119.0%)、Conservative予測で274万台(対前年比102.9%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、2020年の需要台数266.3万台のうち、85%を中国が占め、最大市場を構成している。
・2020年の二輪全体における電動二輪の比率は4.8%だが、SDGs、排ガス規制、産業政策などを背景に2030年の比率は10~20%に拡大するものと見られる。
・同市場拡大のカギとなるのがインドである。インドは世界最大の二輪市場を有し、2030年に全二輪の30%を電動化にする目標を掲げている。

自動車用リサイクル部品市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度の自動車用リサイクル部品市場規模は、2,020億円(対前年度比94.0%)と推計した。
・主に事故整備で使用される同部品は先進安全自動車(ASV)の普及と外出自粛による事故数の減少、コロナ禍の影響により海外への同部品の輸出が停滞するなどの要因で需要が減少。また、供給面では中古車市場の高騰により、解体用中古車の仕入れができずリサイクル部品回収が滞り、供給も減少している。

業界動向/事業者動向

・同市場では、自動車使用年数の長期化や車齢の高齢化は年々進行しており、良質なリサイクル部品の確保が今後困難になると予測される。また、自動車解体業者も減少傾向にあり(2008年度:6,691→2019年度:4,273)人手不足からリサイクル部品の回収を行わず、スクラップとして販売する業者も多い。
・同市場では、自社で回収したリサイクル部品を業者間で融通する流通ネットワークが存在する。近年、システム接続による供給力の拡大を進めており、2020年9月に、JAPRAはJARAが提供するリサイクル部品在庫システム「ATRS」を採用するなど協力体制の構築を進める。

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