株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【美容・健康】21年6月

【業界アウトライン】
2020年度の化粧品総市場規模は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、2兆4,000億円(対前年度比90.6%)と見込まれる。今後、ワクチン接種率上昇で国内需要はゆるやかな回復が見込まれるが、コロナ前水準の需要回復は難しい。

理美容サロン市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年度の理美容サロン市場規模は1兆9,700億円(対前年度比92.7%)となった。

・2020年度は、消費者の外出自粛や節約意識の高まりから、セルフカラーリングや来店間隔の長期化が進み、市場規模は前年を大きく下回った。

・2021年度は、各店舗でコロナ禍に即した営業対策が徹底されるとみられ、市場規模は2兆1,052億円(対前年度比106.9%)になると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、店舗におけるデジタル化が進みつつあり、事業者にはインターネット予約やSNSを活用した理美容商品の販売促進活動が活発化しているほか、来店者サービスとして店舗への無料Wi-Fiの導入やキャッシュレスシステム(電子マネー等)を導入する動きも見受けられる。
・そのほか、同市場は接客サービス業の中でも休業要請対象外業種であり、新型コロナウイルス感染症の影響が少ないことから他業種も注目している。そのため、今後は既にフランチャイズチェーン展開を行っている事業者と資本関係を結ぶなどして、他業種からの参入事業者が増加すると見込まれる。

理美容化粧品市場

※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度の理美容化粧品市場規模はメーカー出荷金額ベースで1,389億円(対前年度比93.8%)となった。
・2020年度はウイルス感染を懸念する理美容室の利用頻度の減少で、理美容化粧品販売は低迷した。
・その一方で、巣ごもり需要やヘアケアを中心とした自宅ケアニーズの拡大やオンライン利用者の増加で、2021年度の市場規模は1,430億円(対前年度比103.0%)になると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、サロン利用客がサロン利用を控える動きが増加したため、化粧品メーカーや美容ディーラーは、自社オンラインショップの開設や、取引先理美容室と自店の顧客がオンラインで製品を購入できるアプリやシステムの導入を推進している。
・その一方で、理美容サロン業界は美容人口減少で内需縮小が進行しており、理美容化粧品需要の拡大は難しいとみられる。そのため、理美容化粧品メーカーの中には、経済成長が著しく美容やファッションへ支出意欲の高い東アジア・東南アジア諸国市場へ進出する動きも見受けられる。

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