株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【卸売・小売】21年6月

【業界アウトライン】
2020年の流通小売市場規模は、129兆5,000億円(対前年比96.2%)と見込まれる。新型コロナウイルス感染症の影響により、巣ごもり消費の恩恵を受ける市場がある一方で、営業時間の短縮などから売上が急減する市場も見受けられる。

書籍専門店(書店)市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年の書籍専門店市場規模は9,400億円(対前年比98.1%)と見込まれる。

・同市場は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、第1回目の緊急事態宣言発出以降、店舗売上が大幅に減少した。その後は巣ごもり需要の拡大や「鬼滅の刃」のヒット等で盛り返している。年間を通し、大手書店が展開するECは堅調だった。

・出版市場の規模縮小の影響から今後も書籍専門店市場規模は縮小する傾向が継続すると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の下、休業や営業時間の短縮を余儀なくされた影響により、2020年4月以降、実店舗での売上が大幅に減少した。ただし、第1回目の緊急事態宣言解除以降市場は回復し、年間でみた市場規模は微減にとどまっている。
・このような中で、実店舗を運営する事業者の中には、書籍の他に文具や雑貨の販売を行うなどの書店の複合化を進めることで、集客と売り上げの確保を目指す動きも見受けられる。

玩具・ホビー専門店(玩具・娯楽用品小売市場)市場

※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年の玩具・ホビー専門店市場規模は3,480億円(対前年比89.4%)と見込まれる。
・玩具・ホビー小売販売市場は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による在宅時間の増加に伴い、市場規模は拡大傾向にある。しかしながら、玩具・ホビー専門店市場は、外出自粛に伴う来客数の減少やECサイトを通じた売上の増加により、市場規模は縮小する傾向が継続すると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、玩具・ホビー小売販売市場においてトップシェアを維持している。しかしながら、近年はEC事業者の拡大や家電量販店など、他の小売流通事業者で玩具取り扱いを強化する動きも見受けられ、この影響から専門店としての優位性も失われつつあり、玩具・ホビー小売販売市場におけるシェア比率は縮小する傾向にある。
・このことから、事業者の中には、店舗内での体験や、キャラクターやコンテンツのイベントなどの情報発信を充実させるなど、他販路との差別化や専門店ならではの特徴を打ち出す動きも見受けられる。

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