株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【福祉】21年6月

【業界アウトライン】
厚生労働省の令和元年度福祉行政報告例の概況によると、2019年度の補装具費の支給状況は、購入決定件数が15万5,291件(対前年度比100.5%)、修理決定件数が10万8,826件(対前年度比102.3%)であった。

フットケアシューズ市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年のフットケアシューズ市場規模は48億2,000万円(対前年比84.3%)と見込まれる。

・ここでいうフットケアシューズとは、外履き用の既成靴で、足の健康やフットケアに配慮された製品を指す。

・2021年の市場規模は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、消費者マインドの回復やウォーキング需要の増加などを背景に、52億5,000万円(対前年比108.9%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、国内靴市場が縮小する中で、製品の持つ高い付加価値や高齢化の進展などを背景に、中長期的にも成長が期待できる市場と見込まれる。
・しかしながら、2020年当初に発生した新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響もあり、EC販売は堅調な売上を維持しているものの、百貨店や小売店などの実店舗での売上は減少する傾向にある。
・このような中で、事業者の中には、他事業者との差別化を図るために、大学や研究機関、医療機関と共同研究・共同開発を行い、特定の症状への対応に特化した商品を上市する動きも見受けられる。

栄養補給食品市場

※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2019年度の栄養補助食品市場規模は271億円(対前年度比103.0%)と見込まれる。
・ここでいう栄養補給食品とは、特定の栄養素のみを摂取することを目的とした食品を指す。
・近年は、病院や高齢者施設、在宅医療・介護の現場において、補食の目的としての使用機会が増加する傾向にあり、2021年度の市場規模は279億円(対前年度比103.0%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、高齢者や被介護者の低栄養問題を背景に市場規模は拡大する傾向にある。特に、タンパク質、エネルギー、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど、総合栄養食品の流動食だけではカバーをし切れない用途、目的での使用が増加する傾向にある。
・なお、食品製造・販売事業者の中でも、栄養補給食品への注目度は高まりつつある。今後は、既にゼリーや飲料などの製造ラインや販売ノウハウを保有する一般市場の食品製造・販売事業者を中心に、同市場への新規参入に向けた動きが活発化すると見込まれる。

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