Netpress 第2321号 小さな自損事故を減らすために 管理者が実践すべき3つの取り組みとは?
1.自損事故が起きやすい3つの原因は、「過信・自己中心的・注意散漫」「喉元過ぎれば熱さを忘れる」「先進安全装備の進歩が逆効果?」。
2.管理者としてできる3つの取り組みは、「ドライバーへの安全運転教育の見直し」「クルマの維持コストに対する意識改革」「ドライバーの運転に関する情報の把握」。
住友三井オートサービス株式会社
セールスDX推進部 川﨑 毅
1.小さな自損事故が起きる(起きやすい)原因
●原因1:過信・自己中心的・注意散漫
まずは、危険な「だろう運転」をしているドライバーが多い点が挙げられます。昨日と今日は違いますし、周辺の交通状況は刻々と変化していますので、いつもより急いでいるドライバーもいれば、代車など普段と違うクルマを運転している人もいます。にもかかわらず、いつもの道がいつも安全だと過信し、譲り合う精神を持たず、自分の都合と判断だけで運転する「自己中心的なドライバー」が多いことで、交通違反を起因とした事故を起こしやすいのです。
また、追突事故を起こしたドライバーの多くは、「考え事をしていた」「ボーッとしていた」など、運転に対する注意力が散漫になっていたと言及することが多いようです。「心ここにあらず」の状態で運転に集中しておらず、目の前にある危険を認識できないまま、ブレーキ操作が遅れて追突…といったケースが実際は多く発生しているのです。
●原因2:喉元過ぎれば熱さを忘れる
時間とお金で修理できるクルマのキズやヘコミについては、直接痛みを感じない分、早く忘れ去ってしまいがちです。
●原因3:先進安全装備の進歩が逆効果?
最近のクルマには、ペダルの踏み間違いによる誤発進抑制装置や車間距離制御装置、障害物接近警報装置などといった事故を予防する先進安全装置が装備されていますが、これらはあくまでドライバーのサポートが目的です。
先進安全装備は、確かに死亡者や重傷者を伴う重大事故の減少に大きく寄与していますが、すべての危険を予知・回避できるわけではありません。ひと昔前のクルマには先進安全装置が装備されていませんが、その分ドライバーの危険を察知する意識や、危険を回避する運転技術は高かったとも言われています。
2.小さな自損事故を減らすための3つの取り組み
小さな自損事故を減らすために、管理者としてやるべき3つの取り組みをみていきましょう。
●やるべきこと1:ドライバーへの安全運転教育の見直し
実際には事故につながらなかったものの、事故に至る可能性がある出来事を「インシデント」と呼びます。
インシデントは、ドライバー自身の能動的な行動だけではなく、他の交通や環境などによって「受動的」に発生することもあります。
近年、ドライブレコーダーの普及により、事故映像だけでなく、事故に至る前の危険映像(ヒヤリハット映像)が自動で蓄積できるようになってきました。
たとえば、自社の社有車に搭載したドライブレコーダーから撮影された映像を横断的な会議体で取り上げ、どこが危険だったかなど、ディスカッションを行う場を設けてみてはいかがでしょうか。社内サイトに危険映像を掲載し、継続的に意識向上の働きかけを行っている企業もあります。
●やるべきこと2:クルマの維持コストに対する意識改革
クルマを維持するには、燃料代や駐車場代に加えて、メンテナンス代や車検代などの維持費がかかりますが、多くの企業では自動車保険を必要不可欠な維持費として計算に入れています。
ただ、事故がまったく起きなければ修理代はおろか、万が一に備える保険代さえ最小限に減らすことができるのです。たとえ自動車保険で補償されたとしても、保険を適用すれば月々の支払いは増えてしまいますし、翌年以降下がった割引率をすぐに改善することができるとは限りません。
小さな自損事故であっても、会社への負担はとても大きいという意識を忘れないようにすることが大切です。
●やるべきこと3:ドライバーの運転に関する情報の把握
クルマは常に流動的に移動を繰り返すため、離れた場所から注意喚起をすることは難しいものです。しかし、動態管理システムを取り入れることで、事務所にいながら「事故に繋がりかねない原因」を把握することができます。
・急ブレーキ・急加速などの危険な操作が行われたら管理者にアラートが届く
危険な操作が検知されると、管理者にアラートが届くため、管理者は即時に、該当ドライバーに連絡をして状況を把握することができます。
・リアルタイムに位置情報がわかるので、順調に進んでいるのかが把握できる
各車両の動き、位置情報が管理画面の地図上でリアルタイムにわかるため、どこでどのように滞っているのか、運行がスムーズに進んでいるのかが把握できます。
・安全運転診断機能で事故につながりそうな運転のクセを可視化する
安全運転診断機能では、その日1日の運転状況をスコア化します。さらに映像付きの動態管理システムを導入すれば、なぜ急操作が発生したのか、その原因を突き止めることが可能になり、今後の安全運転に向けた適切な施策を実行できます。最近では運転席側やバックカメラも連動するタイプも出てきました。
・走行履歴で振り返りと運転状況の把握をする
その日の走行ルートを自動で記録する走行履歴機能により、天候、道路状況も含め、そのルートに無理はなかったか、効率を上げるにはどのように改善すべきかなど、後から振り返ることができます。
事故防止に役立つ安全運転支援型テレマティクス(通信型ドライブレコーダー)についてはこちらからご覧ください。
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