SMBCコンサルティング発表、2022年ヒット商品番付 新時代を模索した1年~混沌とした情勢下での挑戦~
2022年1月22日に、東京で初めて1万人を超える新型コロナ感染者が確認され、人々は21年から引き続き、行動制限を受けることとなった。一方で、多くの感染者は軽度から中等度の症状に留まり、社会は再び行動制限のない生活へと歩みを進めた。結果、ゴールデンウィークや夏休みは、各地で祭りやイベントが復活。さらに水際対策緩和で、訪日外国人旅行者の数も増え、観光産業の活性化に期待がかかる。
【西の張出横綱 行動制限なし・水際対策緩和(with コロナ)】7月の3連休初日の京都市内。祇園祭の山鉾巡行を翌日に控え、観光客らでにぎわう歩道は交通整理も行われていた
2月24日に始まったロシア連邦のウクライナへの軍事侵攻は、世界にエネルギー安全保障上の危機を生み出した。これに対し、人々は多くを求めなくとも満足感が得られ、心豊かに生きていけるミニマムライフなどの値上げ対策で、生活を守ろうとしている。ライフスタイルの変化は、ソロキャンプの流行にも現れている。
【西の前頭4 ソロキャンプ】キャンプ市場自体が拡大している中、一人でキャンプをしたいというニーズも増えた
元気づけてくれる話題は、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の15勝、34本塁打。2桁勝利・2桁本塁打の記録は、ベーブ・ルース以来約100年ぶり。一方、日本プロ野球界も記録ラッシュを見せてくれた。千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手がプロ野球新記録の13者連続三振、完全試合を達成。20歳5カ月で、史上最年少での記録となった。
これ以外に、4人のノーヒット・ノーラン達成、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手は新記録の5打席連続本塁打や56号本塁打で三冠王を獲得した。
ビジネス界において、特にめざましいのが、テクノロジーに関する動きだ。デジタルの領域では、メタバース・NFT・WEB3といった用語が、日常的に使われるようになった。
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【東の大関 メタバース・NFT・WEB3】通信速度や端末の処理速度の向上により、メタバース内でビジネスや創作活動が可能となった。
テクノロジー以外に、人材を「資本」としてとらえ、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方、人的資本経営が注目を集めている。ビジネスモデルや技術革新の変化に対応すべく、仕事で必要とされる新知識やスキルを学ぶリスキリングに力を入れる企業も増えている。
フードテックも注目されている。大豆ミート、植物性代替肉など、今後の世界的な食糧不足にも対応できる持続可能なフードシステムの構築に一役買う。最先端技術で社会課題を解決するDeep Techも忘れてはならない。
具体的にどのようなものが人気を集めたのか。株式会社ヤクルト本社の「Yakult(ヤクルト)1000/Y 1000」、猛暑対策関連のグッズも21年同様、売上を伸ばした。目新しさでは、ジェンダーレス水着やスマホショルダーが話題となった。
新たな人気スポットも誕生。東京タワーフットタウン内の「RED゜TOKYO TOWER(レッド トーキョータワー)」は、日本最大規模のesportsパークだ。また、11月には愛知県長久手市に「ジブリパーク」がオープン。
エンターテインメントでは、任天堂株式会社のNintendo Switch向けソフト「スプラトゥーン3」が売上を伸ばし、劇場版アニメ『ONE PIECE FILM RED』は、公開日の8月6日から10月31日までで、観客動員数は約1,279万人、興行収入が177億円を突破した。テレビドラマでは、NHK総合の『正直不動産』、テレビアニメでは『SPY×FAMILY』が話題となった。
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【東の前頭2 スプラトゥーン3】ヒトの姿に変身する不思議なイカを操作して4対4のチームに分かれてインクを塗り合い、地面を塗った面積で勝敗が決まる「ナワバリバトル」が最大の特徴
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