「知的財産権」の侵害リスクに備えるために

本稿では、企業にとって重要度を増す「知的財産権」に関するリスクについて解説します。



知的財産権は企業にとって代表的な無形資産の一つです。研究開発や企業活動のグローバル化に伴い、国内のみならず国外での知財戦略も企業にとって重要性を増しています。

企業が新しい商品やサービスを展開する際や新しい国へ進出する際には、知的財産権のリスクが伴いますが、このリスクは年々増加しています。



<日本>2020年に施行された改正特許法等で、知的財産権侵害が認められた場合の損害額が高額化することが考えられます。

<米国>知的財産権侵害訴訟が発生した際には損害が極めて高額になる傾向があります。

<中国>特許侵害訴訟の件数が毎年右肩上がりに増加している状況です。

<その他の新興国>経済発展に伴い、知的財産に対する認識は高まりつつあります。




企業が注意を払うべき知的財産権の登録件数は全世界で増加していますが、全てのリスクを回避すべく、自社で万全の対策を講じることは非常に困難です。このような背景を踏まえ、「知的財産権」を守るために保険の活用が視野に入ります。



1.「知的財産権」と制度について

人間の幅広い知的創造活動の成果について、一定期間の独占権を与えるようにしたのが「知的財産権制度」であり、「知的財産権」は、様々な法律で保護されています。



「知的財産権」のうち、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権の4つを「産業財産権」といいます。


「産業財産権制度」は、新しい技術、新しいデザイン、ネーミングやロゴマークなどについて独占権を与え、模倣防止のために保護し、研究開発へのインセンティブを付与したり、取引上の信用を維持したりすることによって、産業の発展を図ることを目的にしています。


これらの権利を取得することによって、一定期間、新しい技術などを独占的に実施(使用)することができます。



2.「特許権」を取得するメリットについて

「特許権」は、技術的思想の創作である「発明」が保護の対象であり、権利の対象となる「発明」の実施(生産、使用、販売など)を独占でき、権利侵害者に対して差し止めや損害賠償を請求することができます。権利期間は、出願から20年となります。


「特許権」を出願するためには、事前に先行技術調査を行うことが大切であり、既に同じような技術が公開されている場合には、特許を受けることができません。


3.「特許権」侵害リスクについて

特許権が設定されている技術を無断で使用すると特許権侵害となります。

一度、特許侵害訴訟を受けると、大きな費用と労力を費やすこととなりかねません。


保険会社では、特許権を含め、知的財産権の侵害やそのおそれのリスク転嫁する手段に活用できる「知的財産権賠償責任保険」を提供しています。



◎この記事の内容に関するお問い合わせはこちら(企業のリスクマネジメントに関する各種レポートを掲載しています)

※銀泉株式会社のウェブサイトに遷移します。

プロフィール

銀泉株式会社

「保険・ビル・駐車場事業のベストパートナー」として、国内有数の総合保険代理店事業に加え、首都圏・関西圏に約40棟のオフィスビル等を保有するビル事業、「GSパーク」の名称で全国1,000拠点・管理台数2万台の運営をする駐車場事業のほか、グループ会社において、保険の仲立人業務(ブローカー業務)やビルメンテナンス事業、物販事業等を展開しているSMBCグループの親密事業会社です。

https://www.ginsen-gr.co.jp

受付中のセミナー・資料ダウンロード・アンケート