名画で読み解く世界経済 ー 第5回 イギリス編 産業革命が生み出した新技術が、画家の創作環境と絵画の価値を変えた

18世紀後半、ヨーロッパの列強国が参戦した七年戦争で戦勝国となったイギリス。大西洋三角貿易で蓄えた巨額の資本で産業革命を展開し、「世界の工場」として君臨する。ロンドンでは絵画マーケットが誕生し、絵画は金融資産として流通し始めた。しかし、技術革新による蒸気機関車やカメラの誕生は、画家の運命に大きな変化をもたらす。(写真=ターナーの「雨、蒸気、スピード──グレート・ウエスタン鉄道」。蒸気機関車の左下には河川を行く船が描かれ、新旧の技術の移り変わりを一枚の絵の中に表現した)
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