多田智子の働き方改革関連コラム 労働条件明示変更の改正 異動範囲の明示、企業に義務

多田国際社会保険労務士法人は、忙しいビジネスパーソンが知りたい【労務管理に関する旬な情報】を厳選してお送りします。
今回は、労働条件明示変更の改正についてお知らせします。



皆様の会社では、労働契約締結時、異動の範囲についてどのように明示していますでしょうか。


現行法上(労働基準法第15条)の労働条件の明示事項では、雇入れ直後の就業の場所及び従事すべき業務を明示すことが義務付けられており、勤務場所や業務内容の変更範囲までは求められておりません。


しかしながら、職務、勤務地又は労働時間を限定した多様な正社員が増えるなど、労働契約が多様化する中、異動を巡りトラブルになるケースもあることから、個々の労働契約関係の明確化を目的に、見直しが行われています。


厚生労働省の「多様化する労働契約のルールに関する検討会」においての議論では、雇い入れ時に明示が義務化されている労働条件通知書について、多様な正社員を含むすべての労働者を対象に、当初の勤務場所のみならず「就業場所・業務の変更の範囲」について明示をすることが検討されています。


具体的な明示方法としては、例えば、東京23区内に限定されている場合は「勤務地の変更の範囲:東京23区内」と示されることが想定され、また、勤務地に限定がない場合は「勤務地の変更の範囲:会社の定める事業所」と示されることが想定されます。


職種や異動の範囲が限定されている従業員がいらっしゃる会社におかれましては、特に関心が高い内容かと思います。


今後、従業員への説明方法など、具体的な議論が進むと思われますので、引き続き行政からの情報を確認していくことが大切です。


詳細について以下のリンクをご参照ください。


※関連リンク

〇厚生労働省「多様化する労働契約のルールに関する検討会 報告書(概要)」

https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000921199.pdf

〇厚生労働省「多様化する労働契約のルールに関する検討会 報告書」

https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000928269.pdf



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