Netpress 第2142号 いまや世界の共通言語! 企業経営にSDGsを実装するメリット

Point
1.SDGsが、企業にとって無視できない価値観になったことをあらためて認識し、対応していく必要があります。
2.ここでは、SDGsのメリットを確認のうえで、どのようなステップを踏んで取り組んでいけばよいかを確認します。


タナベ経営 経営コンサルティング本部
ドメインコンサルティング東京本部
チーフコンサルタント 湊 柊一郎


1.SDGs ― 3つのメリット

「SDGs」という言葉が、さまざまなメディアで取り上げられています。SDGsとは、2015年の国連総会で全加盟国(193か国)が合意した「2030年までに世界規模で目指すべき持続可能な開発目標」です。


国連総会での採択後、各国が自国の現状を踏まえたうえで、SDGsの達成に向けて具体的な指針を発信しています。


日本は、2016年12月に「SDGs実施指針」を決定し、ビジョンとして「持続可能で強靭、そして誰一人取り残さない、経済、社会、環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指す」を掲げました。


「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を前提に、課題解決先進国として、持続可能な経済・社会・環境づくりに向けた取り組みの実績を世界に発信しつつ、2030年までの目標達成を目指しています。


また、日本はSDGs実施指針のなかで、実施のための主要5原則を設けています(下表参照)。企業および個人としても、SDGsの取り組みを検討する際には、この5原則を考慮する必要があります。




ここまでSDGsが話題になるのは、これまでの類似の取り組みと異なり、政府・民間・自治体、そして各個人に至るまでの全活動を対象としているからです。SDGsが世界の共通言語となったいま、企業にとって無視できない価値観になったことをあらためて認識する必要があります。


企業がSDGsに取り組むメリットはさまざまありますが、中長期ビジョンと絡めて、ここでは3つを紹介したいと思います。


①市場の魅力度が高い

1つ目は、市場の魅力度が高いことです。ビジネスと持続可能な開発委員会が2017年に発表したリポート「よりよきビジネスよりよき世界(Better Business, Better World)」によると、「SDGs達成によって約12兆ドル(約1,340兆円)の市場機会が創出される」とされており、大きなビジネスチャンスが潜んでいることがわかります。


②競争優位の向上につながる

2つ目は、SDGsを企業経営に実装することで、自社の競争優位を高めることができる点です。現代社会の多くは、「社会性を得るために収益を失う」「利便性・快適性を追求すると、温暖化ガスを大量に排出してしまう」など、何かを得るために何かが失われる「トレードオフ」の関係になっています。これを「トレードオン」に変える仕組みや技術を開発できれば、自社の希少価値は一気に高まります。


たとえば、米アップルは、製品を100%循環利用する「Apple to Apple」を目指しています。原材料の高騰や調達が困難な時代になっても、変わらず事業を継続できる取り組みです。


③人材採用に直結する

3つ目は、人材採用です。人口減少トレンドにある日本では、今後、さらに人材採用が難しくなります。昨今、「SDGsに向けた取り組みをしているか」を企業選びの軸とする求職者は少なくありません。実際、多くのクライアント企業が、特に若年層の求職者から、「御社はSDGsに関連して、どのような取り組みをされていますか?」という質問を受けています。自社の持続可能性を高めるためにも、SDGsは欠かせないものになっているのです。


2.企業経営・中長期ビジョンとSDGs

中長期ビジョンにSDGsを実装する際、SDGsを機会と捉えて能動的に検討するか、「外圧や規制に対処するため」と受け身に捉えるかによって、そのビジョンの持つ意味合いが大きく異なります。


小売・フィンテック事業を手掛ける丸井グループは、「2050年にありたい姿」を軸に検討し、「ビジネスを通じてあらゆる二頂対立を乗り越える世界を創る」という壮大な2050年ビジョンを描いています。


現時点では、3~5年(中期)でSDGsに関連した目標を立てている企業が約4割を占めますが、今後はより長期の視点で計画する企業が増えるでしょう。なぜなら、SDGsと長期ビジョンの親和性が高いからです。その理由は3点です。


まず、SDGsが、簡単に変わることのない世界規模の社会課題解決を目標としている点です。17のゴールは、経済・社会・環境を総合的に捉え、世界のあるべき姿として描かれたものです。企業の持続的成長を描くにあたり、持続可能な世界になっていることは前提条件であり、必然的に組み込まれることになるでしょう。


次に、SDGsが、2030年をゴールとした定量的な国際目標であることが挙げられます。SDGsは、17のゴール・169のターゲット・232の指標に細分化されています。長期ビジョンの策定では、定性的な目標はもちろんのこと、定量的な目標を掲げることも重要な要素です。その際、SDGsの指標は、目標設定の目安になります。


最後は、先述した競争優位を実現するためには、事業・サービス・製品・技術などの開発と社会への実装が必要であり、それには時間を要するため、おのずと長期ビジョンとの親和性も高くなる点です。


SDGsを長期ビジョンに実装するにあたっては、SDGsの導入メソッドである「SDG Compass(SDGsの企業行動指針)」の5つのステップ(下図参照)を踏むのが一般的です。




ステップ1~3を重点的に実施し、ステップ2・3の際に、自社の経営理念や長期ビジョンの視点と併せて検討することで、長期ビジョンにSDGsをうまく組み込むことができます。


SDGs推進企業の約8割が、このステップで設計を行っているため、SDGsを長期ビジョンに取り入れる際には、ぜひ参考にしてください。



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