Netpress 第2520号 職場に定着させるために 新入社員フォローアップ研修がなぜ必要かつ重要なのか?

Point
1.入社3年目までの若い世代を職場に定着させることは、多くの企業にとって喫緊の課題となっています。
2.離職理由としては、職場の人間関係がよくなかったことと、仕事が自分に合っていなかったとするミスマッチが上位を占めている状況となっています。
3.新入社員の離職を防ぐためには、職場に配属した後、定期的・計画的にしっかりとフォローを行っていくことが必要になります。


社会保険労務士法人
NACマネジメント研究所
代表社員・特定社会保険労務士
中小企業診断士・行政書士
小林 弘和

1.入社6か月の壁

 各社の人事担当者の方は、当年度の新入社員の受け入れ、新入社員研修、各部署への配属も終わり、新入社員の受け入れ関連の業務がひと段落している時期かと思います。


 近年の人手不足のなかで新規学卒者の採用活動は一層厳しさを増していますが、一方で新入社員の早期退職が常態化しています。


 そのため、せっかく採用した新入社員をいかに定着させて会社の戦力としていくかが、企業にとっての経営上の大きなテーマのひとつとなっています。


 しかしながら、現実を見ると、「新入社員の3年以内離職率は約3割」という状況が定着しています。


 厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(令和7年10月24日発表)によれば、新卒者の就職後3年以内の離職率は次のとおりです。


・新規高卒就職者……37.9%
・新規大学卒就職者……33.8%






 この就職後3年以内の離職のうち、就職後1年以内での離職率は次のとおりです。


・新規高卒就職者……17.9%
・新規大学卒就職者……12.1%





 3年以内の離職者のなかでも、1年以内の早期離職者の比率が高くなっている状況がわかります。


 また、新入社員の3割以上が入社後4~6か月で退職を検討したことがあるとの調査もあります。


 企業にとっては、入社後6か月程度の新入社員に、この「入社6か月の壁」をいかにして乗り越えてもらうかが、早期退職を防ぎ、会社に定着させるためのひとつのポイントになるものと考えられます。

2.早期退職の理由

 厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査」(令和6年9月25日発表)によると、若年早期離職者の離職理由としては、離職時期が早いほど「人間関係がよくなかった」を理由に挙げる割合が大きくなっています。特に3か月未満で辞めるケースでは、その割合は52.3%と、実に2人に1人に上ります。


 早期離職を防ぐためには、新入社員の配属の際に、配属先で職場の人間関係に円滑に馴染んでもらうことが可能になるようなサポート体制の充実や、本人が不安や孤独感を感じないような職場環境やフォロー体制の整備が重要となります。


 また、入社から1年未満で離職しているケース全体で見ると、「仕事が自分に合わない」という理由で辞める人が多くなっています。


 これを防ぐためには、単に仕事のやり方、ノウハウを教えるだけではなく、その仕事の意味やその仕事が将来の自分にどのように役立っていくかということを伝えることにより、自分の仕事にやりがいを感じられるようにすることや、職場や上司・先輩からの期待を伝えるとともに適切な目標を設定してその結果に対するフォローを行うことで、仕事に対する達成感を感じさせるようにすることが重要でしょう。


 それから、3年以内の離職におけるどのタイミングでも、離職理由の3〜4割を占めるのが、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」です。


 労働時間の削減や有給休暇を取得しやすい職場環境づくりなど、働き方改革に取り組むことは、早期離職防止の観点でも重要であることは言うまでもありません。

3.早期離職を防ぐためのフォローアップ研修

 新入社員の早期離職を防止するためには、早期退職を考える新入社員が増加する時期に、早期退職の原因を取り除くような会社からの働きかけを行うことがポイントとなります。


 各職場に配属後の新入社員の教育やフォローは、各職場において対応することもできますが、日常業務を行うなかでは業務遂行が優先されてしまうことや、職場の上司や先輩社員のコミュニケーションスキル等によるバラツキが生じてしまうことが危惧されます。


 また、新入社員に対しても、日ごろの業務から少し離れて考える時間を与えるためにも、この時期のフォローアップ研修を行うことが効果的であると考えられます。


 研修に際しては、以下の内容等を入れることで、より効果を高めることができるでしょう。


① 入社時のマインドに立ち返らせること
② 成功体験・失敗体験を振り返り、現在の自身の課題を認識させること
③ 会社からの期待を再確認させること
④ 同期の社員などと現在の心の情報共有を促し、不安や孤独感をなくさせること
⑤ これからの目標を考えさせること

4.終わりに

 入社3年目までの若い世代を職場に定着させることは、多くの企業にとって喫緊の課題となっています。


 せっかく採用した新入社員の早期離職を防ぎ、職場に定着させ、会社の戦力としていくために、新入社員定着の最初の壁となる、入社後4~6か月の時期に適切なフォローアップを行うことを検討していただきたいと考えます。



◎協力/日本実業出版社

日本実業出版社のウェブサイトはこちらhttps://www.njg.co.jp/



この記事はPDF形式でダウンロードできます

SMBCコンサルティングでは、法律・税務会計・労務人事制度など、経営に関するお役立ち情報「Netpress」を毎週発信しています。A4サイズ2ページ程にまとめているので、ちょっとした空き時間にお読みいただけます。

PDFはこちら



■SMBCコンサルティングの新入社員・新人研修(フォローアップ研修ございます)
\貴社の新入社員・新人研修の課題や要望にお応えします!/
大好評受付中! 2026年度 新入社員・新人研修 特設ページ



プロフィール

SMBCコンサルティング株式会社 ソリューション開発部 経営相談グループ

SMBC経営懇話会の会員企業様向けに、「無料経営相談」をご提供しています。

法務・税務・経営などの様々な問題に、弁護士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・コンサルタントや当社相談員がアドバイス。来社相談、電話相談のほか、オンラインによる相談にも対応致します。会員企業の社員の方であれば“どなたでも、何回でも”無料でご利用頂けます。

https://infolounge.smbcc-businessclub.jp/soudan


受付中のセミナー・資料ダウンロード・アンケート