多田智子の働き方改革関連コラム いよいよ12月から「マイナ保険証」へ移行します
今回は、マイナ保険証についてお知らせします。
2024年12月2日以降、従来の健康保険証は新たに発行されなくなり、マイナンバーカードに登録された健康保険証(以下「マイナ保険証」)を基本とする仕組みへと移行されます。
マイナ保険証は、2021年10月から本格的な運用が始まりましたが、厚生労働省の公表によると、2024年8月時点で、マイナンバーカード保有者のうち、マイナ保険証を登録している割合は80.6%であるにもかかわらず、マイナ保険証利用者の割合は12.43%と依然として低い水準のままとなっています。
今回はいよいよ本格的な移行日に向けて、改めて「マイナ保険証」について確認していきます。
〇マイナ保険証のメリット
国が挙げている最大のメリットは「医療情報の共有」です。本人の同意に基づき、別の医療機関や薬局で処方された薬の履歴などを他の医療機関と共有することができるため、正確なデータに基づく診療や、飲み合わせを考慮した処方等の調整を適切に行うことができます。その結果、かかりつけ医ではない医療機関に救急搬送された場合や、旅行先で病気になった場合など、初めて受診する医療機関でも適切に医療情報が活用できるようになります。
また、手術や入院で高額な医療費がかかる場合には、これまで医療機関の窓口で一時的に高額な立替払いが発生し、後日「高額療養費」としての給付で返還されることになっていましたが、今後は、医療機関の窓口で高額療養費の限度額を超える金額を支払う必要がなくなります。
ほかにも、これまでは就職や転職、転居などの際、健康保険証の切り替え手続きが完了するまでの一定期間、手元に健康保険証の現物がない状況もありましたが、マイナ保険証は継続して使い続けられるなど様々なメリットがあります。
〇 マイナ保険証移行期間の留意点
2024年12月2日以降、従来の健康保険証は新たに発行されませんが、既に発行済の健康保険証は最長1年間(2025年12月1日まで)併用して使用することは可能です。
マイナ保険証への移行に伴い、2024年9月頃から順次「資格情報のお知らせ」というような書面が、加入している保険者(協会けんぽや勤務先の健康保険組合等)から会社に送付され、会社経由で従業員に配布することで、マイナンバーカードと健康保険証の資格情報の紐づけが適切に行われているか各自確認するようになっています。
尚、マイナンバーカードを保有していない、あるいは、マイナ保険証を利用することができない方は「資格確認書」を提示することで引き続き医療機関の受診は可能です。
(出典)全国健康保険協会「資格情報のお知らせ及び加入者情報(マイナンバー下4桁)の送付等について」
その他の詳細については、以下の関連サイトにてご確認ください。
※関連リンク
〇 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」
▼人事・労務担当者向けにマイナ保険証移行に関する具体的な対応方法をまとめました▼
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プロフィール
多田国際コンサルティンググループ 代表社会保険労務士 多田智子
私たち多田国際コンサルティンググループは、多田国際コンサルティング株式会社と多田国際社会保険労務士法人で構成しております。
多数の社会保険労務士・中小企業診断士・人事コンサルタント等を擁する、独立系コンサルティングファームです。労働法・社会保険法からのサポートのみならず企業のIPO支援、海外進出、M&A、人事制度構築、社員教育など多様な専門性とサービス展開により人的資本の側面から企業価値向上をサポートして参ります。