Netpress 第1724号 好感度を上げるごあいさつ 正しいお歳暮の贈り方とお礼の仕方

Point
1.贈る相手の都合や嗜好を考慮し、マナーに気を付けてお歳暮を贈りましょう。大切なのは、お世話になった気持ちを贈る品とともに相手に伝えることです。
2.相手が喪中の場合や贈るタイミングを逃してしまった場合は、贈る時期や熨斗(のし)紙の種類・表書きの変更で対応が可能です。
3.お歳暮が届いたら、お礼状はなるべく早く出すのが正式なマナーです。相手が誰であれ、書くべき内容は一緒なので、ポイントを押さえて3日以内には出しましょう。


株式会社ザ・アール
専属講師 福田 佳織

1.お歳暮に関するマナー

(1)贈る時期

お歳暮は、1年間お世話になった感謝の気持ちを、贈るものです。贈る時期は地域によって多少違いがあります(関東地方では少し早目の11月末頃から、関西地方では12月13日(正月事始めの日)から贈ることが多いようです。)が、現在では、12月初めから12月20日ぐらいまでに届くように手配するのが一般的です。ただし、お正月用の生鮮食品などの場合は、年末に贈ります。

(2)渡し方のマナー

お歳暮は、相手方に出向いて手渡しするのが正式なマナーです。しかし忙しい現代では、デパートやお店から直接送ってもらうのが主流です。持参しない場合は、品物が到着する前に、日頃お世話になっていることへのお礼とお歳暮を贈った旨を書いた「送り状」を郵送しましょう。 お正月用の品を贈るときは、いつ頃、何が届くのかを送り状で知らせると、相手がお正月の準備をする際に助かります。

「送り状」を前もって送付せず、お歳暮の品にカードや挨拶状として同封することもあります。大切なのは、お世話になったお礼の気持ちを贈る品物とともに伝えることです。

(3)取引先への贈り方

仕事上のお付き合い先へのお歳暮は、会社宛てか個人宛てか、宛て先を明確にする必要があります。そのため、11月に入ったら早めに贈り先リストを作成することをお勧めします。近頃は贈答品を受け取らない会社もありますので、初めてお歳暮を贈る相手へは、受け取りが可能なのかの確認も必要です。また、贈り先の情報が最新かどうかも当然チェックしておく必要があります。

会社の場合は、宛て先を会社名・社長名、もしくは関係部署の責任者名・担当者名にすることが一般的です。特別にお世話になっている個人の場合は、会社に個人名で送る、あるいはその方のご自宅に送ります。

熨斗紙は、紅白の蝶結びの上段に「お歳暮」「御歳暮」と書き、下段には贈り主の名前を書きます。このとき、社名・社長名・上司との連名・個人名など、贈る相手と贈る側、双方の関係性を考え、状況に合った贈り主名を書くことが大切です。

(4)お歳暮の選び方

お歳暮の相場は3,000円から5,000円くらいが一般的です。贈る側の好みではなく、相手に喜ばれる品を、予算を考慮して選びましょう。会社へ贈るのであれば、社員同士で分けられる個別包装のお菓子や、社内でいただくことができるコーヒーや紅茶など、常温で保存ができ、賞味期限があまり短くないものが良いでしょう。 

個人宛てには、相手の嗜好や家族構成などを考慮して選びましょう。地元の特産品や地酒、先方のために特別に取り寄せたもの、毎年同じものを贈るというのも良いと思います。

2.喪中や贈り逃してしまったときの対応

(1)喪中の場合

お歳暮は、日頃お世話になっていることへの感謝の気持ちを贈るものなので、相手先、こちらのいずれが喪中の場合でも、贈って差し支えありません。相手が喪中の場合は、相手の悲しみの気持ちを配慮して、熨斗紙は通常の紅白の蝶結びの水引ではなく、シンプルな無地の短冊熨斗を使います。

(2)お歳暮を贈り逃してしまった場合

お歳暮の贈る時期を逃してしまった場合は、熨斗紙の表書きを変えて贈ります。関東地方は1月1日から7日まで、関西地方では15日までを松の内といい、この期間に新年のごあいさつに伺います。贈り物の熨斗紙の表書きは「御年賀」「お年賀」と書きます。

ただし、先方が喪中のときには新年のごあいさつはできませんので、時期をずらし、松の内後から2月4日(立春)までに、「寒中お見舞い」「寒中御見舞い」「寒中お伺い」「寒中御伺」と熨斗紙の表を書いて贈ります。

3.好感度を上げるお礼の仕方

(1)お礼状を送るタイミング

宅配便などでお歳暮が届いたら、なるべく早くお礼状を書いて出すのが正式なマナーです。親しい間柄であれば、すぐに電話でお礼の気持ちを伝えるのも良いと思いますが、電話やメールは略式なものなので、必ずお礼状を書くようにします。郵送で送ると、贈り主に届くまでに少し時間がかかりますので、遅くとも3日以内には出しましょう。また、お歳暮はお返しの必要はありませんが、お付き合いの都合上、お返しの品を贈るのであれば、その品物にお礼状を添えるのでも差し支えありません。

(2)お礼状の書き方

個人宛てか、ビジネス上の取引先宛てかによって、多少言い回しは異なりますが、お礼状に書くべき内容は以下の3項目です。


① 届いたことを知らせて、お礼を述べる一文を書く

② 受け取った品物の感想と、いただいた者(社員・家族)が喜んだ様子などを伝える一文を書く

③ 贈ってくださった方の健康、相手の会社の繁栄などを気遣う一文を書く


お礼状は手書きで書くのが基本ですが、会社関係でたくさん書く必要がある場合は、印刷したものでも問題ありません。ひな型を作成しておき、いただいた品と贈り主に合わせてお礼状を作成します。フォントを行草体・楷書体など手書風にするのも良いでしょう。



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