Netpress 第1680号 早めの準備で万全対応 今さら聞けない!お中元選びとマナーについて
1.お中元の時期は、地域によって異なるため、取引先に贈る時期を早めに確認しておきましょう。また、のしの形態、贈り方などを社内で決めておくとよいでしょう。
2.日ごろの感謝を込めて、先方に喜んでもらえる品物を選ぶとよいでしょう。金額も相手に気を遣わせない価格にしましょう。
専属講師 福田 佳織
1.お中元のマナー
(1)贈る時期と具体的なマナー
お中元は、日ごろお世話になっている方や取引先へ、感謝の気持ちを贈り物に添える習慣です。お中元を贈る時期は、地域によって異なります。7月上旬から8月15日間で、地域ごとに1週間から1か月の期間があります。できるだけ、贈り先のお中元の時期に合わせて贈る心遣いが必要です。
東北と関東が一番早く、7月上旬から7月15日までに贈ります。関西なら7月下旬から8月15日までに贈ります。取引先の会社へ贈る場合の宛先は、先方の社長名にします。支店・部署宛に贈る場合は、それぞれ支店長名・部署長名で贈ります。
贈る品にはのしをつけ、上段には「お中元」または「御中元」と書き、下段には社名の隣に代表者の名前を書きます。持参して手渡しするときは外のし、宅配便などで送るときには、内のしで贈ることが多いようです。外のしと内のしは、どちらが丁寧であるとか、格が上であるということは決まっていません。
包装紙で品物を包んだ上からのしをする外のしに比べ、品物の箱の上に直接のしをつけ、包装紙で包む内のしは、贈る側の控え目さを表すとも言われています。
贈り物は本来、風呂敷に包んで持参するのが正式なマナーですが、ビジネスでは、相手の業務に支障がないように、持参よりも宅配便などで送る方法が主流です。ただし、宅配便で送る場合は、送り状を送るのがマナーです。この場合は、品物が届くよりも早く、送り状が届くように郵送します。送り状には、日ごろお世話になっていることへの感謝と、お中元を贈った旨をはっきりと書きます。時節柄、暑中見舞いの体裁で送っても問題ありません。品物に送り状を同封する場合は、カードやハガキ大で用意し、デパートや店に持参して、同封を依頼してもよいでしょう。デパートや店で準備がある場合もあります。
(2)お中元の時期を過ぎてしまった場合の留意点
東北や関東宛のお中元が時期に間に合わなかった場合は、のしの表書きを「暑中御見舞」または「暑中御伺」とします。関西宛のお中元が時期に間に合わなかった場合は、「残暑御見舞」または「残暑御伺」とします。
しかし、お中元は必ず贈らなくてはならないというものではありません。会社の業績が厳しい時期でしたら、お中元を控え、日ごろお世話になっているお礼と感謝の気持ちを、手紙や暑中お見舞いのハガキで出してもよいと思います。また、お中元かお歳暮のどちらかを贈るのであれば、1年の感謝の気持ちとしてお歳暮を贈ればよいのです。
昨今、会社や職場によっては、取引先からの贈答品の受け取りを禁止している所もあります。新規取引先や関係者にお中元を贈る場合は、先方の担当者にこちらの気持ちを伝え、受け取っていただけるのかを確認する必要があります。
(3)お中元を受け取る側の留意点
贈答品をたくさん頂く会社や部署の場合は、管理担当者を決めておくことをお勧めします。管理担当者は、お礼状を作成し、差出人は社長名や部署長名で出します。お礼状は、早ければ早いほどよいので、できるだけ早く出しましょう。その日のうちに出すのが理想的です。遅くとも2・3日後には出しましょう。頂いた品物に対する具体的な感想を記載すると、贈り主も選んだ甲斐があったと嬉しい気持ちになります。
(4)お中元を受け取れない場合の留意点
こちらが業務上受け取ることができない相手からお中元が届いた場合、担当する部門に連絡し、失礼のないようお断りの理由をお伝えし、届いた品は返送します。併せて先方のお気持ちは、ありがたく頂戴した旨がわかるような挨拶状を送ることが必要です。例えば、「この度は結構なお品を頂戴し、恐縮しております。弊社の社内規定により、時候のご挨拶のお品物は受け取ってはならないことと定められております。つきましては、今後このようなお心遣いは何卒ご無用にしていただきますよう、お願い申し上げます」などと伝えます。
2.お中元の相場とお中元選びのヒント
お中元は、3000円から5000円くらいの予算で選ぶのが一般的です。日ごろお世話になっている気持ちを表すものですので、あまり高額な金額は控えましょう。
(1)品選びのポイント
① 職場で分けられるもの・オフィスで使われるもの
具体的には、個別包装のお菓子で数のたくさん入ったもの。コーヒーや紅茶、お茶などのオフィスで飲食できるもの等です。夏場に合わせて、アイスコーヒー、アイスティー、清涼飲料水などもお勧めです。
② 特産物
自社の地域の特産物や地元で人気の商品や有名なお菓子など。
③ 先方の社長(おひとり)宛であれば
その品の美味しさや良さを先方に是非味わっていただきたいとこちらが思う品。先方のために特別に取り寄せた品。
④ 毎年同じ品を贈る
先方が特に好きなものなどを贈り、「○○を送ってくださる△△会社さん」という印象付けになり、この時期にいつも届く○○・・・と期待もされます。
(2)避けたい品
① 好き嫌いがはっきりと分かれるもの
人によって好き嫌いがあるようなものは、職場で公平に分けることができないため避けましょう。
② 保存のきかないもの
夏場であるので、保存のきかないものや生ものを贈るのは避けます。冷蔵庫がない場合や、食べきれない場合への気配りが必用です。
③ 調理を必要とするもの
オフィスでは、焼く・揚げる・茹でる・温めるなど調理を必要とするものは向きません。
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