株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【レジャー】23年3月

【業界アウトライン】
2022年度のアウトドア市場規模は、3,475億6千万円(対前年度比106.5%)と見込まれる。コロナ禍を契機にキャンプやトレッキングなどがレジャーとして定着しつつあり、他業種からの参入も多いことから、市場拡大が期待される。

登山・クライミング用品市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年度の登山・クライミング用品市場規模は、9億2千万円(対前年度比104.5%)と見込まれる。

・登山・クライミング用品とは、トレッキングポール、トレッキング用GPS、方位磁石・温度計、ヘルメットなどの商品群を指す。

・同市場は、コロナ禍でトレッキング、ハイキングの参加者が増え、関連用品の需要は高まったが、重登山関連用品の需要は限定的であったと見られる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、登山者のうち高い割合を占める団体登山ツアー客やインバウンドが戻っておらず、回復には時間がかかると見られる。一方、軽登山の需要は高まっており、高い標高をターゲットとしていたブランドも訴求先を変更することで売上を拡大させるなど、トレッキング需要は堅調に推移している。
・クライミングは、2021年の東京オリンピックで正式種目となり、人々の関心が高まった。ボルダリング専用ジムが増加してから年月が過ぎ、エントリー層のステップアップは進んでいると見られ、継続層ほど自分の道具を用意する傾向が強いことから、ファン層の増加に伴い、需要が見込まれる。

キャンプ用品レンタル市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2022年度のキャンプ用品レンタル市場規模は、23億4千万円(対前年度比119.4%)と見込まれる。
・同市場の顧客層は、30代前後の若い夫婦や子連れのファミリーが中心で、出費を抑えたいという考えや、家族構成の変化でアイテム数や大きさも変動することから、レンタル用品が重宝されている。
・同市場は、キャンプブームによって、利用者が増加傾向にあることから、今後も拡大が見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、キャンプを続ける人ほど用品を少しずつ買い揃えるため、リピーターほどレンタル点数が減り、客単価が下がってしまう傾向にある。そのため、事業者ではセット用品の展開を充実させるほか、レンタル品目を増やすなど、リピーター獲得に向けた施策を強化する動きが見られる。
・そのほか、キャンプ人気の高まりに伴い、キャンプ用品レンタルの新規参入も見られることから、事業者の一部では、投資回収に時間がかかってしまうものの、レンタルできる事業者が少ない有名ブランドのハイクラスなキャンプ用品を揃えることで差別化を図る動きも見られる。

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