Netpress 第2303号 新しいマーケティング施策 ビジネスにおけるソーシャルリスニング活用法
1.ソーシャルリスニング(Social Listening)は、よりリアルな消費者の声が集まるSNSプラットフォームを活用した、新時代の戦略的マーケティング施策です。
2.ここでは、ビジネスにおけるソーシャルリスニングとソーシャルリスニングツールの活用法を解説します。
GLOBAL ANGLE Pte. Ltd.
株式会社GLOBAL ANGLE
1.ソーシャルリスニングとは
ソーシャルリスニングとは、TwitterやInstagram、Facebook等の各種SNSにおけるユーザーの投稿やアクティビティを分析し、ビジネスに反映させる新時代の戦略的マーケティング施策です。
従来、消費者の意見を集める手段として、アンケートを介した消費者調査が一般的でしたが、個人がオンラインで意見を発信する手段が増えた今日、よりリアルな消費者の声が集まるSNSプラットフォームを活用したソーシャルリスニングが徐々に浸透しつつあります。
ソーシャルリスニングツールは、各種無料ツールから高度な分析機能を持つ有料ツールまで多数存在します。
これらのツールを用いることで、キーワード検索によるヒット数、シェア数、実際のポスト等の閲覧・分析が可能になります。有料ツールを活用して、国・地域、年齢、性別、メディアタイプ、言語等のフィルターをかけることで、さらに詳細にわたって分析をすることも可能です。モニタリングしたキーワードを登録すると、関連トピックがトレンド入りした際に通知する機能を提供し、チームがマニュアル式にチェックする必要がなくなる業務能率化ツールとしての側面を持つサービスもあります。
2.ソーシャルリスニングツールの活用目的
ソーシャルリスニングツールの活用目的として、主に次の3つが挙げられます。
(1) 自社の商品・サービスの分析 |
(2) 競合各社の分析 |
(3) マーケティングコンテンツの改善 |
(1)自社の商品・サービスの分析
①自社のブランドプレゼンスの確認・分析
自社名をキーワードに含む検索をかけることで、自社のブランドプレゼンスを確認・分析することができます。
各種SNSプラットフォームにおけるヒット数はもちろん、言語や国・地域、ジェンダー等のフィルターをかけることで、ターゲットごとのブランドプレゼンスも認識が可能です。
②顧客分析
【既存の顧客分析】
自社名を含むキーワード検索により、既存の顧客の年齢、性別、国・地域などを分析することができます。
これにより、自社がどのターゲットに強みを持っているのか、さらに注力する必要があるのはどのターゲットかが明確になります。また、各ターゲットをオーディエンスに設定する場合、どのSNSプラットフォームが最適であるかも特定することができます。
【ポテンシャルのある市場とターゲットの分析】
自社の商品・サービスに関連するキーワードを設定することで、今後ビジネスを拡大するポテンシャルのある市場とターゲットの分析が可能になります。
(2)競合各社の分析
①競合各社のブランドプレゼンスの確認
自社のブランドプレゼンス分析と同様に、競合各社名をキーワードとして設定することで、各社のブランドプレゼンスを確認することができます。
この検索結果を自社の結果と比較することで、競合に対する自社の強みと課題点の認識につながります。
②競合分析(競合のターゲット分析)
競合のブランドプレゼンスに加えて、各社がターゲットとしている顧客の年齢、性別、国・地域等を確認することで、競合の戦略を理解することができます。
これにより、自社のマーケティングにおいて差別化が必要な領域が明確になります。
(3)マーケティングコンテンツの改善
①自社関連ポストにおける頻出キーワードの抽出
自社商品・サービスと競合の類似商品・サービス関連のポストを分析することで、クリック数やシェア数の多いポストに含まれるキーワードを特定することができます。
このキーワードを含んだマーケティングコンテンツを作成することが、マーケティングコンテンツの改善とクリック数・シェア数の増加によるビジビリティ(可視性)の向上につながります。
②顧客が好むプラットフォームの分析
自社商品・サービスがターゲットとする顧客が好むプラットフォームを分析・特定することで、マーケティングにおける予算やプランを最適化することができます。
③ソーシャルセリング対策(SNSプラットフォームの最適化)
ソーシャルセリングとは、SNSプラットフォーム上で直接カスタマーとのコネクションを形成し、商品やサービスの販売につなげる新たな販路です。
ソーシャルセリングにおいて重要なSNSプラットフォームのデザインにソーシャルリスニングを活用することで、オーディエンスとの接点の顔となるプロフィールを最適化し、結果的にカスタマーエンゲージメントを高めることができます。
売りたい商品・サービスに関連する特化した頻出キーワードを導入し、ニーズを理解することで、より多くのカスタマーへの効率的なアプローチの一歩を踏み出すことが可能となります。
④インフルエンサーやアンバサダーの発掘
SNSプラットフォームでのマーケティングにおいて、インフルエンサーやアンバサダーを起用することは、最も一般的なデジタルマーケティング戦略のひとつです。
ソーシャルリスニングツールを活用して特定のキーワードやユーザーをフィルターにかけることで、自社の製品やサービスを宣伝するために最も関連性の高いインフルエンサーやアンバサダーにアプローチすることができます。
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