コテンラジオと考える「ポスト資本主義」とは何か? COTEN広報・下西伽倻子氏「『世界史データベース』が目指す未来と、ポスト資本主義時代の新しい企業広報の形」

歴史を面白く学べるポッドキャスト「COTEN RADIO(以下、 コテンラジオ)」と連携した連載企画「コテンラジオと考える『ポスト資本主義』とは何か?」。ポッドキャスト上で公開された内容の書き起こし記事や、コテンラジオを運営する株式会社COTEN(以下、 コテン)のメンバーへのインタビューなどから、「ポスト資本主義」に迫ります。
本記事では、同社の広報担当・下西伽倻子さんに、コテンの事業が目指すものや、描く未来像について語っていただきました。


世界史データベースは“選択を強要される時代”の羅針盤


──はじめに、コテンの事業についてお聞かせください。


下西 コテンは「メタ認知のきっかけを提供する」ことをミッションに掲げ、世界史を活用した歴史事業とメディア事業を展開しています。歴史事業では「世界史データベース」の開発を中心に、企業に向けた歴史コンサルティングなども展開。メディア事業では、ポッドキャスト『歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)』の運営を行っています。


──世界史データベースはどういったものになるのでしょうか。


下西 さまざまな形で散らばっている歴史の情報や知識を同じ型にそろえて整理し、キーワードなどで検索できるようにします。


企業経営や人生のあらゆるシーンで課題に直面したとき、判断の指針や参考となる事例が、世界史にはたくさん埋もれています。ただ、過去の人類の思考や行動パターンから自分にとっての答えを導き出すのは、世界史に精通した方でなければ難しいですよね。そこで、誰でも問いを投げかければ、歴史の事例が返ってくる「装置」として開発しているのが世界史データベースです。


世界史データベースは、たとえば史実を「後継者を誰にしたらいいか」「上司と部下の関係」といったよくある課題に沿って抽象化し、任意の課題を選ぶと、これまでの世界史のいろいろな年代の事例が提示されます。上司と部下の関係であれば、織田信長やカエサルなどの事例を通じて、自分以外の視点から判断の役に立つ知見を学ぶことができるというわけです。


──なぜ世界史データベースをつくろうと思われたのでしょうか。


下西 歴史の研究では基本的に、1つのテーマに沿って深堀りしていくことが多いです 。たとえば明智光秀について学んでいるとき、同時代の他の国々ではどのような背景でどのような人物が台頭していたのか、横並びで比較することはあまりないと思います。それをしようとすると、たくさんの本を読んでその時代の各国の歴史について知る必要がある。歴史好きな人が、そうでない人と会話をすると「この人が歴史の知識を学べば、きっとすごく仕事や生活に活かせるはずなのに」というもどかしさがあるそうです。


弊社代表の深井も、複数の会社の経営に携わる中で、「歴史の知識は経営に役立つのに、多くの経営者は歴史を学ぶ時間がない。彼らのような優秀な経営者が歴史の知識を活用できるようにできないか?」と考えたそうです。その体験が世界史データベースの着想の1つになりました。また、深井自身も、世界史の中で各国の社会構造を比較したいときなど、もっと使いやすいツールが欲しかったのだと思います。


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