研修界隈 第一回 「インフォメーション」から「トランスフォーメーション」へ
PROFILE
ソリューション開発部 グループ長。前職で教育事業に携わっていた経験も生かし、おもに企業担当者との連携を担当。
河田康幸
執行役員 教育事業担当。「みんなの研修」の立ち上げにおいて、これからの研修のあり方を見据え、全体統括を行った。
篠原建
ソリューション開発部長。SMBCコンサルティング入社以来、研修の分野で豊富な経験を積む。「みんなの研修」運営の指揮を執る。
あり方も内容も変化する研修は「時代を映す鏡」
本連載の第1回となる3人の鼎談は、「研修」がたどってきた変遷を聞くところから始まった。
河田 会社の中で行う勉強会、先輩が後輩へ教える「伝承」が研修の起こりだと推測します。時代が進むにつれ、会計や法務、マネジメントと、学ぶべきことが増えた一方、現場は忙しい。自社リソースだけで人材育成を完結させるのが難しくなり、外部の知見や仕組みを活用する流れが生まれたのだと思います。
これに、3人の中で最も長く研修サービスに携わり、自身もセミナー講師を務めていた篠原が補足する。
篠原 私が入社した18年前は、管理職向けの研修が非常に人気の時代でした。でも平日はなかなか時間を取れず、土曜日に行う企業が多かったんです。
河田 研修は空いた時間にやるべし、という文化でしたよね。
篠原 はい。現在は、「研修=業務」と認識が変わり、平日に行われています。内容の変遷でいえば、以前はビジネスマナー研修も人気でしたが、ここ10年で「コンプライアンス」が台頭しています。グローバル人材や女性活躍に関わる研修やセミナーが増えた時期もありましたね。
河田 日本の企業の課題がそのまま反映されているんですよね。大きな不祥事が起こればコンプライアンス、ブラック企業が話題になれば労務。「うちの会社は大丈夫?」と。研修は『時代を映す鏡』とも言えます。
9年前に入社した知久(ちく)は、「パソコン関連の研修も多かった」と当時を振り返る。
知久 デジタルネイティブ世代が主力になった今、需要は減っていますが、あの頃は初歩的なパソコン操作が人気でした。
河田 正しい知識や情報を知ることに価値があった頃ですよね。
知久 そうですね。研修の役割は、インフォメーションを正確に届けることにありました。
篠原 なくなるものがある一方、全体的には種類が充実してきています。「細分化」と言うほうが正しいですかね。管理職研修も、かつては成果を出すためのマネジメントや部下の育成が主だったのが、今はハラスメント対策や労務管理というメニューが全体の約7割を占めています。
河田 デジタル分野で言えば、「DX」という言葉が出てきたかと思えば、今は「AI」。技術の進化やトレンドの変化も、研修メニューに影響します。
知久 加えて、講師が一方的に何かを教えるよりも、受講者が自ら考え、対話し、行動が変わるような機会が求められるようにもなりました。
河田 研修はインフォメーションの場から、トランスフォーメーションを促す場へと進化したということだと思います。
学びの場を提供し続け、“まるっと”支える存在に
特定の“誰か”が学ぶものから、“誰も”が学ぶものへ。研修のあり方も変わりつつある。
篠原 もはや一部の人材だけを育てる時代ではなく、新入社員から管理職、役員まで、すべての階層が継続的に学ぶことのできる環境が必要になっています。
知久 私も、それを強く感じます。社内のさまざまな人が研修を受けることで「共通言語」が生まれ、対話や交流が活発になるメリットがあります。
ここまで三者三様の視点で研修を振り返ってきたが、「みんなの研修」を通して目指すのは一つ。河田はそれを「お客様を“まるっと”支えられるパートナー」と表現する。
河田 学び続けられる環境こそが、企業の競争力になる一方で、企業の中には、労務管理の観点で総務部が人事を兼務するも、とても社員教育まで手が回っていない話をよく聞きます。だからこそ、「ここに相談すればいい」と思ってもらえる存在になりたい。“まるっと”という言葉には、人材育成の仕組みそのものを私たちのサービスが担います、という意思を込めています。
篠原 来場型研修や動画学習、講師派遣などを組み合わせ、その会社に合った形を一緒に描いていく。教育事業専門の会社は多々ありますが、私たちが目指すのは、業界の中でのシェアではなく、“あなたの会社にとってのナンバーワン”。誰もがあまねく学ぶことのできる環境を整え、しっかりと寄り添い、河田さんが言うように“まるっと”支えられる存在になりたいですね。
知久 私たちも、喜びややりがいを感じる瞬間がたくさんあります。たとえば最初は消極的だった人が、最後には「視野が広がった」と表情が変わる、とか。そういう瞬間に立ち会うと、役に立ててよかったと感じます。
河田 私たちは、単に研修を企画する存在ではなく、企業が抱える悩みに寄り添い、ともに考え、ともに悩む相談相手。誰もが学び続けられる環境を整えることで、日本企業の未来を支える力になりたいと思っています。
SMBCビジネスセミナー「みんなの研修」とは
プレミアム|磨き抜かれた珠玉のプログラム
新任取締役・執行役員向けパッケージセミナーや新入社員研修、法改正等を踏まえた時事的なプログラムなど、厳選した約200テーマをラインアップ。
ベーシック|プロフェッショナルの土台固め
階層別からビジネススキルまで幅広いセミナーを年間約1,800回開催。受講形態は定額制学び放題の「サブスク」と、都度払い制の「セレクト」から選べます。
ライブラリ|定額で学ぶセルフラーニング動画
約240テーマのアーカイブ動画を、いつでもどこでも定額で視聴学習できるサービス。階層別・分野別・ビジネススキルの基本を効率的に学べます。
講師派遣|いつもの職場で学びあうカスタマイズ研修
一社ごとに個別のご要望を伺い、課題に合わせた研修をオーダーメイドでご提案。実績豊富な講師ネットワークで貴社の人材育成をサポートします。
新人から管理職、役員まで。基本のまなびをすべてここに。
◎文/明日陽樹 写真/嶋本麻利沙
◎「SMBCマネジメント+」2026年4月号掲載記事
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SMBCマネジメント+編集部
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