Netpress 第2069号 役割・目的を明確に! 法人向け自社Webサイトの見直し方

Point
1.そもそも自社Webサイトの役割は何なのか(会社の利益にどう貢献するツールなのか)を明確にします。
2.自社Webサイトのリニューアルを検討する際の視点は、Webサイトに期待する目的によって異なります。


株式会社ディーネット
ソリューション営業部2課 久保 亮二


自社Webサイトは、自社や製品紹介を通じて顧客となり得るユーザーにいつでも情報の提供を可能とする営業ツールです。昨今は、従来よくあった別の主業務を担っている担当が、兼務で自社Webサイトを更新する形ではなく、マーケティング/広報部などの専任担当者が更新担当に就き、アクセス解析を通して課題の掘り下げを行い、反映する企業も増えてきています。

対面による商談のなかで顧客と関係性を構築するという営業本来の業務がなくなることはありませんが、自社Webサイトの最適化を行うことは、提供できる情報の質を高め、その情報を精査することによりニーズにマッチしない商談を減らし、対顧客対応の効率化を図るというメリットにつながります。

1.自社Webサイトの役割とは

自社Webサイトには、大きく以下の3つの役割がありますが、リニューアルを進めていくうえで、どのポイントに重きを置く必要があるのかは、企業のWebサイトに期待する目的によって異なります。


【1】 情報発信:自社のイメージ向上やブランド訴求

【2】 新規顧客向けの製品・自社サービス訴求

【3】 既存顧客向けのサポート充実


【1】の要望例

・10年前に公開されてから更新がされておらず、デザインが陳腐化している。

・最近では当たり前の「モバイル対応」や「SSL対応」など、基本的な措置が施されていない。

・自社Webサイトから潜在顧客を開拓することが主目的ではなく、既存顧客へのイメージアップが目的のため、情報の質よりイメージ向上を重視したい。

・IR情報や社員の顔など、顧客ではないユーザーに安心感を与えたい。


【2】の要望例

・自社独自の製品やサービスにおける新規顧客の拡大を行いたいが、営業リソースが不足しているため、サイトからの顧客創出を狙いたい。

・新規取引開始の問い合わせをいただくことが目的。


【3】の要望例

・製品自体は他社でも取り扱っているため、サポートやユーザー補助、問い合わせに対する業務効率化や時短を狙いたい。

・FAQサイトの別建てやチャットツールの導入など。
初回ヒアリング時は、【1】に関する切り口で話が始まりますが、話を進めていくなかで、【2】【3】も検討材料として必要になってくるというケースがよくあります。

2.自社Webサイトのリニューアルを検討する際の視点

まず、自社Webサイトについて検討すべきなのは、「誰に、何を見てもらい、どうして欲しいのか」ということです。
そのうえで、どうリニューアルすれば自社業務を効率化できるかという観点からは、たとえば下記のような改善が考えられるでしょう。

・自社の製品ラインアップやサービス概要、導入事例のサイト掲載
・資料のPDF化、ダウンロード
・よくある問い合わせに対する回答を事前にサイト上で準備

自社Webサイトの運用は、企業全体の重要プロジェクトのため、Web担当や営業だけでなく製品部門、営業部門やカスタマーサポートまで、「誰が製品の情報をまとめるのか」「誰がPDF資料を作るのか」「誰が更新作業を行うのか」など、関わりのあるすべての部署の意見も取り入れたほうがよいでしょう。

部署からの要望例

・製品部門からは、この製品の仕様や使い方についてよく聞かれる

・営業部門からは、サービス導入の費用面に関してこういうことをよく聞かれる

・カスタマーサポートからは、サービスオペレーションのこの部分についてよく聞かれる


また、自社の意見だけでなく、客観的にニーズを把握するためにも、アクセス解析やマーケティングツールのデータを利用し、どのページに、どんなキーワードで、どんな会社・業界のユーザーがサイトを閲覧しているのかというユーザー行動をつかむことはとても有効です。
Webサイトを解析する場合、例としてデータから以下のようなことを確認します。

・ユーザーが検索サイトから自社Webサイトに流入した際の流入キーワードに対する回答となるページはあるのか。
・足りない情報を補完する必要があるのか。
・ユーザーが離脱しているページはどこか。
・まだ取引関係のない企業で自社Webサイトに訪問してくれている企業はどこか、またその企業が属する業界に刺さるコンテンツはあるか。

そして、自社Webサイトのリニューアルを決定したら、以下の流れで進めることをおすすめします。


①自社で挙がったリニューアル動機、背景、現状課題の洗い出し

②アクセス解析を用いた客観的な事実や、実際のお客様の声の洗い出し

③上記を踏まえた課題解決のためのコンテンツや仕組みの検討


実際に自社Webサイトの構築を行う際、社内にデザイン/システム構築を担う人員がいる場合は人的リソースの確保、社外に委託する必要がある場合は外部委託パートナーの選定などが必要です。どちらの場合でも、あらかじめ自社課題を浮き彫りにしておくことで、制作側とのスムーズな連携が可能です。


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