Netpress 第2086号 永続企業を目指して!With/Afterコロナで勝ち残る会社変革の進め方
1.自社の強みを見極めてそれを活かす、新たな事業を立ち上げるという2つの取り組みを紹介します。
2.会社変革では、過去や他人を否定せず、将来のためにどうすべきかを建設的に考えることが重要です。
みらいコンサルティング株式会社
上席執行役員 下阪 安勝 / 公認会計士 西原 和光
現状のコロナ禍において、以前に比べて売上が上がらず業績が厳しい、今は何とか持ちこたえているが先行きが不安、先が読めないなかで次の一手をどのように打てばいいかわからない、と悩まれる経営者からご相談をいただく機会が増えました。
現在は、事業再構築補助金といった国の補助金制度を活用して大幅な業態転換等を図るケースなどもありますが、自社においてはどのような施策により中長期的な永続を図るかといった観点から、With/Afterコロナで勝ち残るための会社変革の進め方とポイントを紹介します。
1.自社の「本当の強み」をどう活かすか? 何を提供し、提供しないか? を見極める
このSWOTを整理する過程で、「S(Strength):自社内の強み」が何かを見極める観点から、お客様の生の声を掘り下げて聞いてみることが考えられます。
たとえば、「自社の製品/サービスのどこが気に入って購入してくれたのですか?」「自社の製品/サービスの良さは何ですか?」といった聞き方が考えられます。
はじめは表面的なやりとりになるかもしれませんが、深掘りしていくうちに、これまで意識もしていなかった「強み・価値」が見えてくる可能性があります。そして、その発掘された「強み・価値」をどう活かすかを掘り下げることで、今後の経営戦略の方向性を明確にすることができるのです。
なお、一方で自社の経営資源には限りがありますので、お客様にとって「強み・価値」ではないものがあったとしたら、「提供しない」と見極めることも重要と考えられます。
2.これまでにない新たな事業を立ち上げる
もう一つの取り組みとしては、これまでの自社のノウハウ等を活かして、新たな事業を立ち上げることが考えられます。一方で、新たな事業を立ち上げることは、決して簡単ではありません。子どもを育てるのと同じぐらいの覚悟で、「事業を育てる」ことが必要です。
新たな事業を立ち上げるステップは、一般的に以下のとおりです。
今回は、Step1とStep2での主なポイントについて解説します。
【Step1:ドメインを選ぶ】
「とにかく多くのアイデアを出す」ことが必要です。そのためには、批判は厳禁、自由奔放に行う、質より量を重視する、他のアイデアに便乗する、といったスタンスが重要になります。とにかく多くのアイデアという観点では、まずは100個程度、最終的には1,000個くらいを目標にすることが考えられます。
アイデアを出すときのポイントは、「徹底的に顧客視点で考える」ことです。事業化を目指すためには、この視点は不可欠です。
【Step2:顧客と提供価値を決める】
顧客をセグメント化し(例:年齢・性別)、各セグメントの特徴・ニーズを踏まえたうえで、ターゲットとするセグメントを特定します(例:20代の女性)。そして、ターゲットとするセグメントへの「提供価値」(お客様の課題を解決するものは何か?)を考えます。
提供価値を考えるときのポイントは、「あったらいいなぁ」ではなく、「このために必要だからお金を出す」といったものでなければなりません。また、BtoBの場合は、「あなたの商品を買うと当社はどう得をするのか?」に答えられるものであることが重要です。
今回、会社変革の2つの取り組みを紹介しましたが、これらを進めるうえで重要なのは、「過去や他人を否定せず、将来のためにどうすべきかを建設的に考える」「自社の視点ではなく、顧客の視点で考える」ということです。これらの点に留意して、会社変革に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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