人材育成の目的や大切な考え方、方針や計画の立て方や進め方を解説

企業の成長に必要な経営資源は、大きく「ヒト・モノ・カネ・情報」の4要素で構成されていると言われますが、「ヒト」という資源は、4要素の中でも最も重要な構成要素です。

なぜなら、他の3要素(モノ・カネ・情報)は、「ヒト」によって動かされ、使用されることで初めてその本来の役割を果たすことが出来るに過ぎないからです。

本コラムでは、企業の成長の最重要資源である「ヒト」が持つ能力を最大限に発揮させるための人材育成について考えていきたいと思います。


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1.人材育成とは

「人材育成」とは、『組織が戦略を達成するため、あるいは、組織・事業を存続させるために持っていてほしい従業員のスキル、能力を獲得させることであり、そのための学習を促進すること』です。

 

従来、人材育成は、人事部や人材開発部が行うという考え方が強くありましたが、現在では、会社の将来的な姿を見据え、その時々において必要となる人材が持つべき能力を発揮できるよう、現場も含めた取り組みの必要性が、強く認識されています。

 


2.人材育成の目的

人材育成の目的は、大きくは「組織戦略の達成」と「組織・事業の存続」に役立つ「ヒト」の育成です。

 

(1)組織戦略の達成に役立つ「ヒト」の育成

技術革新の急速化や企業活動のグローバル化など経営環境の変化は激しく、又、少子高齢化による人手不足への対応など、組織戦略は短期間での見直しを迫られています。


人材育成により、新しい知識の吸収や生産性の向上をサポートすることは、組織メンバー個々の変化と成長を促し、組織戦略に役立つ「ヒト」を育てることになります。


このために行われる人材育成は、効果を比較的短期間で出現させることを求められます。

 

(2)組織と事業の存続に役立つ「ヒト」の育成

組織・事業の継続には、優秀な人材を組織内に維持していくことが必要です。

雇用の流動化(転職が行いやすくなる)が進展し、若年層においては特に、有意味でやりがいある仕事を志向する傾向が強くなるとともに、現勤務先でのみ必要な知識より、他社でも通用する、ポータビリティーの高い(他社でも転用可能な)スキル・知識の獲得を求める傾向が高くなります。

 

人材育成により成長実感を感じてもらうことは、モチベーションやエンゲージメント(働きがい)の向上につながり、能力の向上以外に、優秀な人材の離職を防止する効果も生じ、組織と事業の存続に役立つ「ヒト」を育てることになります。

 

このために行われる人材育成は、長期的視点で計画的に実施する必要があります。


 

 

3.人材育成に関する取り組みの変遷

(1)人事管理・労務管理の一環としての人材育成

過去、人材は企業を維持・運営していくための代替可能な材であるとともに、管理の対象として認識され、人材への支出は削減したいコストとしてみなされていました。

 そのため、人材育成は、組織戦略との関連性が低く、職務に必要な特定能力の向上は、現場でのOJTに任せきりとなる一方、人材育成の機会は、入社時や管理職昇格時に行われる階層別研修が中心で、人間的成長(ヒトづくり)」を目的に行われていました。

 

(2)人的資源管理の概念の浸透

1980年代に入り、人事・労務管理に代わって、欧米で展開されてきた人的資源管理(Human Resource Management=HRM)という概念が知られるようになり、人材は企業の競争力の源泉となる重要な経営資源であると認識されるようになりました。

 

同時に、人材育成も単に「人間的成長」といった曖昧な目標で語られるのではなく、「知的生産性の向上」「競争力の向上」といった経営戦略に沿った明確な目標を与えるものとなり「知識・スキルの修得」が、重視される傾向が強くなりました。

 

(3)コンピテンシーの概念の浸透

1990年代に入りコンピテンシー(高い水準の業績を上げることが出来る個人の行動特性)に基づく人材育成の考え方が、日本でも知られるようになりました。

 

コンピテンシーを用いた人材育成では、「好業績者に共通するコンピテンシーを発揮している者は、高い業績を水準の業績を上げることが出来る」という仮説のもと、どのようなコンピテンシーを開発・向上させるべきかが明確となりました。

 

人材育成に関するアクションプランが立てやすくなった半面、研修等による「知識・スキルの修得」だけでなく、業務を通じた現場での学びと行動の実践、自己啓発を含めた学習活動の促進、等様々な場面での人材育成が必要と考えられるようになりました。





(4)リスキリングの浸透

最近の人材育成では、リスキリングが注目されています。

 

リスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する、又はさせること」と定義できます。

 

又、衰退分野から成長分野への人材の異動を可能にし、生産性向上や賃金の向上を図ることが可能となります。

 

日本で急速に注目を集めた理由には、DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応が挙げられます。

 

社内のデジタル化を進めるためには、デジタル技術を活用できる人材が必要になり、新たなスキルを習得するリスキリングが必要と考えられたのです。

 

ここで注意したい点として、DXへの対応のみが、リスキリングの対象ではないということです。

 

急激な経営環境の変化に対応して、ビジネスプロセスを根本から変える取り組みが求められる現在の状況では、OJTでは身に付けることのできないスキルを習得するために行うものがリスキリングであり、営業職や事務職などあらゆる人材に様々なリスキリングが必要とも言えます。



4.人材育成と人材開発などの定義の違い

 

人材育成と同様の文脈で使用される用語に、人材開発や人材教育がありますが、それらの意味するものは、しばしば曖昧で、学術的な定説はなく、論者によって様々です。あくまでも、当社の考え方という範囲でご説明をしていきたいと思います。

(1)人材育成と人材開発との違い

 

人材育成と同じ文脈で利用される言葉に人材開発がありますが、一般的には、ほぼ同義語と理解していいと思います。

 敢えて区別して利用している場合は、人材を経営資源として捉えているケースです。

 

〇経営戦略・組織開発などとの関連性を強調したい場合⇒人材開発

〇資源としての人材を強調したい場合⇒人材開発

〇育成・開発に要する時間の長短を強調したい場合⇒短い場合が人材開発

〇対象が個々の個人か集団か⇒個人のキャリアプランなどを強調する場合が人材開発

 

(2)人材育成と人材教育の違い

人材教育は、人材育成を行う上の一つの手段であり、研修などを通して、スキルや知識を教育していくことを指すと捉えると良いでしょう。

人材育成を研修の実施であると捉えるのは、間違いと言えます。人材育成は、様々な場面を通して行うことが重要です。


(3)広義と狭義の人材育成

 

当社は、人材育成を広義と狭義に区別して考えています・

 

狭義:従業員個人又は階層別・職務別等に対して行う育成

広義:狭義の人材育成に、組織開発やキャリア開発などの組織体制・人事体制を含めたもの

 

組織開発

人材育成により個人の能力を高め、シナジー効果として組織の能力も高めることを目指し、組織レベルでの学習を促す。


キャリア開発

個人のキャリアビジョンと組織の意向をすり合わせ効果的な育成を行う。

 

冒頭でもお話しした通り、「人材育成」とは、社員を企業の成長・発展に貢献できる人材として育成することですから、組織開発やキャリア開発も人材育成と不可分であることがご理解いただけると思います。

 


5.人材育成の代表的な3つのシステム

組織における人材開発のシステムの代表的なものには、OJT、OFF―JT、SD(自己啓発)の三つがあります。

 

(1)OJT

職場内で実際の仕事を通じて知識や技術を身に付けるという現場重視の人材育成方法です。

 

仕事だけでなく企業の風土や文化も吸収しながら、短期間で効果を上げることを目指します。

 

実務に必要な知識やスキルを、経験を通じて学ぶことが出来るため即戦力化しやすいというメリットがあります。

 

一方、発生した機会に応じた場当たり的な指導となり易く、体系的でないケースや、教育担当者のレベルによる影響により効果に差が出る可能性があり、適任と思われる教育担当者の選出が重要なカギとなります。

 

(2)OFF―JT

職場外で受ける教育訓練で、日常の業務を離れて行われる集合研修です。新入社員研修、管理職研修、職務別研修、技能別研修など計画的体系的な研修が可能です。

 

大手企業では、自社の講師で行う場合もありますが、研修会社などで行われているセミナーに参加させるケースや、研修会社から講師を委託してもらい、社内や社外の会場で実施される集合研修などが一般的です。

 

最近ではコロナ感染防止や、地方勤務者の出張費の削減などからWebを使って行うことも増えてきています。

 

OJTと異なり、体系的・計画的に行え、質の均一化も図れ、現場に適任な教育指導者がいない場合などの対応策としても有効です。

 

一方、現場の実態に完全にフィットしない場合や、費用や工数がかかることがデメリットと言えます。

 

(3)自己啓発

自己のニーズと興味に応じて、その能力を向上させるために自発的に行う個別の能力開発です。

 

自己啓発援助制度により、費用や教材の提供など、企業からの補助や支援が設定されているケースも見受けられるようになっています。

 

具体的には、資格取得費用支援制度や資格取得報奨金制度、オンライン学習サービスのIDを希望者に付与するなど、社員が自発的に学ぼうとした際に、金銭的負担を軽減する仕組みが主流と言えます。

 

自発的な学習ですから、教育効果が高いはずですが、自己啓発を強制すると自発性が薄れモチベーションが低下する可能性や勤務時間に含むのかというような問題も起こり、制御がしにくいというデメリットがあります。

 

従来、日本の企業では、OJTと本人の自発的な自己啓発を企業内教育の主たる柱とされてきました。

 

つまり、OFF―JTは、補完あるいは、意識研修的な意味合いで行われることが多かったのです。

 

現場での教育体力の減少や教育できる管理職の不足などにより、OFF―JTが見直されてきています。

 

6.人材育成方針の4つの大切な考え方

人事育成方針の策定は、人材担当者が、経営と現場とコミュニケーションしながら、コンセンサス(意見の一致)を得ていく、大変重要なプロセスであり、人事戦略の策定として位置づけられると言えます。

 

大切な考え方のポイントは、以下の4つです。

 

(1)会社としての人材育成に対する思想・理念を共有する

(2)人材育成ニーズの整理と確認

(3)期待される人物像の確立

(4)人材育成計画の策定

 


(1)会社としての人材育成の思想・理念の共有

人材育成は、企業の経営理念や経営方針を実現し、企業の発展を支える”人材”を育てることですから、経営戦略に沿ったものでなくてはなりません。

 

同時に、「ヒト」が、「モノ・カネ・情報」という経営資源を使って、企業のパーパス(「何のためにこの会社があるのか」という、企業の最も根本的な存在意義や究極的な目的)を実現する主体であることから、人材育成は企業の最重要経営課題であることを経営層や現場責任者にしっかり認識してもらい、理解と協力を得ておくことが大切です。



(2)現状分析

経営戦略に沿った、人材育成を行うためには、現状を分析し、期待される人材像を確立しなければなりません。 

なぜなら、現状と期待される人材像とのギャップが、人材育成を行う内容・テーマとなるからです。

 

現状分析のために、企業の外部環境である「社会」「顧客」のニーズを、内部環境としての「経営者」「現場」のニーズを調査・ヒヤリングを行います。

 

(3)期待される人材像の確立

人材育成のニーズとしても、職種別(企画・営業・製造・事務など)や階層別(経営層・部長層・課長層・若手など)、緊急で対応しないといけない事項や、中長期的に対応すべき事項など様々な切り口でニーズが出てくると思われます。

 

人材育成担当者として、整理を行ったうえで、経営層との打ち合わせを行い、期待される人物像を確立しましょう。


(4)人材育成方針の策定

以上の⑴から⑶を行った段階で、組織として望まれる、特定のスキルホルダーの人数や管理職の構成等が太枠として出来上がってくはずですので、人材育成の長期的な方針を立てていきます。最近で言えば、女性管理職の望まれる人数構成も重要な人材育成方針となります。


7.具体的人材育成方法の企画のポイント

決定された人事育成方針に沿った形で、教育研修計画を策定し、具体的な推進方法を決定していきます。

重要なポイントは以下の2つです。


(1)教育研修計画の策定

(2)研修プログラムの作成と実施



(1)教育研修計画の作成

教育研修計画は、人材育成に関する中期経営計画です。人材育成の大計画である人材育成方針や事業推進上の中期経営計画との連動を考慮する必要があるます。

 

又、人材育成の緊急度と課題によっては、人の変化にはある程度の時間がかかることを理解し育成期間も考慮して、職場外教育(Off-JT)・職場内教育(OJT)・自己啓発(SD)を有機的に組み合わせた研修計画を作成することが必要です。

 

(2)研修プログラムの作成と実施

 

具体的な研修プログラム策定には、次の3つの項目を決定する必要があります。

 

①なぜ学ぶことが必要なのか(学ぶ理由)

教育研修計画策定までのステップで浮かび上がった、期待される人材像と現実とのギャップが学ぶ理由となります。目的を明確化し職務別や階層別ごとに対象者を選定します。

 

②どんなことを学んでもらい、変化してもらうのか(学習者の変化)

対象と目的に応じて、具体的なプログラムの策定を行います。人材育成は、学習者の行動に変化が生まれなければ、成功とは言えません。

 

「知識」・「行動」・「意識」の三つの観点から、実効性の高いプログラムを策定していきます。

 

研修終了時のアンケートに、「総論としては分かったが、もう少し具体的な内容が聞きたかった」などの記載があるときは、「知識」の面では評価されていても、「行動」につながるプログラムが十分でなかった可能性があります。

 

又、実際に、現場で「行動」をしてもらうためには、「意識」の変容までを考えていく必要があります。

 

③どのような変化を現場に導くのか(学びの適用・転移)

学びの適用・転移とは、「研修の中で学んだ知識やスキルを仕事に役立て持続する」ことです。

 

そのためには、研修実施後のアフターフォローも行い、現場責任者とも協力し、以下を進めていきます。

 

・研修で学んだことを上司に報告し、現場上司からのサポート・指示を受け、研修内容を試行すること。

・学んだことを実践しているか追跡・評価すること。

 

当たり前のようですが、ここまで出来ている企業は少ないのも事実です。本章の最初に述べた通り、会社としての人材育成の思想・理念の共有が出来ておらず、上司の協力を得ることが出来ていない可能性があります。

 

人材育成は、最も重要な経営課題の一つであることを、是非、全社で共有していきたいものです。

 

8.その他の人事育成の方法

(1)メンター制度

メンター制度は、若手や中堅社員、管理職等に対して先輩やベテラン社員が相談役(メンター)として支援する制度です。

 

メンターは、気軽な形で社内相談できる仕組みとするために、学習者であるメンティーとは異なる部署から選任します。

 

メンター制度には、社員の成長促進や悩みの解消によるパフォーマンス向上、また、新人向けであれば、即戦力化の促進や離職防止、組織社会化の促進といった効果が期待できます。

 

(2)コーチング

職場で行われるコーチングとは、上司と部下が、対話を重ねることを通して、部下が目標達成に必要なスキルや知識、考え方を備え、行動することを支援するプロセスです。

 

上司からの命令や指示で部下を強制的に動かすのではなく、対等な立場で、部下の不安・課題・理想などを話してもらい、質問を繰り返すことにより、自身の中で解決策を導き出し、行動に繋げてもらいます。 

 


 詳しくはこちらの記事をご覧ください
  コーチングとは? 簡単なやり方と「質問スキル」を具体的に解説



(3)1on1ミーティング

on1ミーティングとは、1~2週に一回程度、上司と部下が15分から30分ほど行う1対1の定期的なミーティングです。

 

on1ミーティングの頻度や所用時間に決まりはありません。業務と照らし合わせながら、お互いに負担がない範囲で定期的な場を持ちます。

 

基本的にミーティングのトピックスは部下が直面している課題や不安などになります。

 

上司はその課題解決や部下の目標達成などを支援しますが、成果を出すことが前面に出るのではなく、部下の自律的な成長を目指します。

 

1 on 1ミーティングとよく混同されるのが、コーチングです。

 

1 on 1ミーティングは「場」のことであり、コーチングは「手法」です。

 

つまり、1 on 1ミーティングという「場」に必要があればコーチングという手法を使うこともありますし、必要がなければ使わないこともあります。


 詳しくはこちらのダウンロード資料をご覧ください
  基礎からわかる「1 on 1ミーティング」


(4)アクションラーニング

アクションラーニングとは、個人と組織の実務能力を高めるための学習方法として、参加者が小グループを組み、組織が現実に直面している問題に対しディスカッションで解決策を考え、解決策を実行するというステップを踏みます。

 

実務上の問題解決や課題達成、リフレクションをとおして、学習能力を高められるのです。



9.人材育成に必要な学習理論

人材育成に行う上で、知っておくべき理論について代表的なものを説明します。

 

(1)アンドラゴジー

アメリカの成人教育の理論家であるマルカム・ノールズは、アンドラゴジー(ギリシャ語の成人と教育を合わせたもの)の概念を発展させる際、「自己概念」「経験」「レディネス」「方向付け」「動機付け」という五つの観点で、子どもの教育とは区別すべきだという見解を示しました。

 

成人の学びの特徴として、自己の意思で現実の課題を解決したいと願い、学習が必要だと感じた時に、課題の解決に関連性のある内容を学ぼうとし、過去の経験と学習したものを統合させていくことが挙げられます。

 

実際の、OFF-JTの場においては、目的の明確化や、具体的な日常業務との結びつきについて、開始時によく説明し、「レディネス(学習準備性)」を高めておくことが必要です。

 

又、「経験」は、学習内容と統合され、学習効果を上げることがある反面、過去の経験から得られた内容を「アンラーニング(学習棄却=既存の仕事の信念やルーティンをいったん棄却)」し、 新しいスタイルを取り入れてもらう必要も出てくるため、経験を重視する学習者にとっては、苦痛を伴うこともあります。

 

(2)コルブの経験学習モデル

ディヴィット・コルブは、アメリカを代表する哲学者であり、教育思想家であるジョン・デューイにより従来から提唱されていた学習理論を実務家にも使える経験学習モデルとして単純化し、その理論の普及に努めました。

 

コルブの経験学習モデルは、経験から人はどうやって学ぶのかを①具体的経験→②省察的観察→③抽象的概念化→④能動的実験→①具体的経験…という4つのプロセスをサイクル化し、繰り返すことによって、学びを獲得していくというものです。





プロフィール

SMBCコンサルティング株式会社 ソリューション開発部 教育事業グループ

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